和金はもっともオーソドックスな金魚で、現在の市場に出回る様々な品種の金魚のルーツとなる金魚です。
その為、金魚の元になったフナのような姿かたちで、金魚の中ではスリムで泳ぐのもとても上手です。
日本人には馴染みが深く、お祭りの出店の金魚すくいの金魚もこの和金です、丈夫で飼育のしやすさから多くの人に愛されてきました。
金魚すくいの金魚も大事に育てると立派で大きな金魚に育つのでびっくりされた方も結構いるんじゃないですか?
また、あまりイメージにはありませんが和金も他の金魚と同じように尾びれはいくつかの系統があります。
フナのようなフナ尾、ヒレが別れている、三つ尾、四つ尾、桜尾などです。
和金の系統
和金はフナから突然変異で生まれたヒブナから生まれました。
和金からは[丸子][六鱗][琉金][朱文金]などが作り出されました。
【金魚の尻尾の名称】
フナ尾・・・・・・・フナと同じようなシンプルな尾ヒレ
三つ尾・・・・・・・尻尾が二つに分かれていてヒレの上部はくっついている。
四つ尾・・・・・・・尻尾が二つに分かれていてヒレの上部は離れている。
サクラ尾・・・・・三つ尾と四つ尾の間で、ヒレの上部が少しだけ離れている。
【ちなみに上見(うわみ)と横見(よこみ)とは】
上見と横見とは金魚の鑑賞方法です。
読んで字のごとく、魚の姿を上から鑑賞することを上見(うわみ)といいます。
それに対して魚の姿を横から鑑賞することを横見(よこみ)といいます。
尾ひれが開くらんちゅうなどは上見(うわみ)が好まれますが、朱文金などのスマートな金魚は横見(よこみ)で横から鑑賞します。
フナ尾の和金などは横見をオススメします。
【ちなみに金魚の歴史】
金魚の原産地は中国で約2000年前の中国南部地方で、野生のフナの突然変異種であるヒブナを観賞用に交配を重ねた観賞魚です。
日本へは室町時代中頃にやってきたようで、当時はもっぱら貴族のペットとして飼われ、江戸中期に武士が副業として金魚養殖始めたのをきっかけに江戸金魚ブームとなりました。
現在ではその綺麗な姿と豊富な種類、丈夫で飼育が容易である事などから世界中で親しまれています。
その長い歴史から金魚は品種改良が進みその品種は多岐にわたります。
フナの体型に近い[和金]、丸い体に綺麗な長いひれを持つ[琉金]、目が飛び出した[出目金]、琉金の頭に瘤がある[オランダ獅子頭]、赤白黒の[東錦]、背びれがなく頭部に瘤をもつ[らんちゅう]などが様々な品種がつくられました。
【学名】
Carassius auratus
【種目】
コイ目コイ科コイ亜科フナ属
【分布】
改良品種
【サイズ】
10cm〜30cm
【寿命】
5~10年
飼育条件
[温度]20~28度
[水質]中性~弱アルカリ性
【水質について_詳しくはこちら】
[ 餌 ] 金魚用人口餌
[注意点]
和金は意外と大きくなり、泳ぐのも得意なので45cm〜60cmぐらいの水槽飼育がオススメです。
金魚鉢などでの飼育は見た目がとても可愛いですが、出来て最初だけだと思います。
底砂は大きめの砂利、もしくは何も敷かないベアタンクにしましょう。
また金魚は草食性の強い魚なので柔らかい水草は食べられてしまいます。
餌には金魚専用の人工餌や、冷凍赤虫をバランスよく与えてください。
餌の量は少なめに、水質の管理をしっかりとできていれば、10年以上生きることもあります。
混泳
同サイズの金魚であれば大丈夫です。
繁殖
金魚の産卵・繁殖の適齢期はオスが2歳~4歳、メスが3~5歳のようです。
産卵の時期は冬季の冬眠から目覚めて少し経ったの4月〜5月初旬頃です。
和金の産卵には水草や専用の産卵ネットを用いると良いでしょう。
アナカリスなどの水草やシュロをいれておけば、金魚が卵を産み付けてくれます。
産卵後はエアーレーションをしっかりして水中に酸素を充分行き渡らせましょう。
和金の孵化した稚魚にはブラインシュリンプを与える、もしくはグリーンウォーターで育てましょう。
【グリーンウォーターでメダカの稚魚を育てる】
水中で植物性プランクトンが発生し緑色になった水をグリーンウォーターと呼びます。
このグリーンウォーターはメダカや金魚の飼育に大変適しています。
まだ小さすぎて人口餌を食べることのできない稚魚などはグリーンウォーター内の植物性プランクトンを食べて大きくなります。
グリーンウォーターの作り方は、容器に入れた水を日光の当たる場所に置いておくと植物性プランクトンがわき、緑色のグリーンウォーターになります。
和金の稚魚は生まれたては黒色ですが、成長するにつれ金魚の色に変化してきます。
これは褪色[たいしょく]といって、黒い稚魚がだんだんと色が抜け、肌色のような色を経て綺麗な赤色になっていきます。