ゴールデングラミーは[スリースポットグラミー]というグラミーの改良品種で、黄色を鮮やかにしたマーブル模様の体、白いドットが入ったヒレが特徴の大型のグラミーです。
[スリースポットグラミー]のスリースポットとは、体の側面に入る2つのスポットと目を合わせて3つのスポットが入るように見える事から来ていますが、その特徴はこのゴールデングラミーにもうっすら残っていますね。
ゴールデンハニードワーフグラミーとよく似ていますが、あちらの原種はハニーレッド・ドワーフグラミーなので少し違います。
ゴールデングラミーのこの淡い色彩。ガラス細工のような儚い美しさがあり綺麗ですね。
透明なガラスに色の付いたガラスを被せてダイヤモンドの粉末の付いた針で彫刻していく技法の事を[グラスリッツェン]というそうです。
また、特殊な電動ペンを使用する[ハンドグラヴィール]や[ガラスエングレービング]などとも呼ばれます。
合わせガラスに彫刻する事で独特のグラデーションが生まれ、綺麗な仕上がりになりますね。
本来は日常品などの製品は「壊れません」の方に進化していくものだと思います。
またそうアピールする事が普通だと思いますが、ガラス彫刻やガラス細工って、この繊細な「雑に扱うとすぐ壊れますよ」感がより価値を出していますよね。
これと見た目が全く同じで、絶対に割れないプラスチック製品だと価値が何百分の1になりますもんね。不思議な世界です。
ゴールデングラミーもガラス細工のように丁寧に接してあげると黄色い体色がより鮮やかに色づきます。
また大きくなる熱帯魚なので換水には気を使いましょう。
【グラミーとは】
ゴールデングラミーのようにグラミーと名前につく熱帯魚はたくさんいますがグラミーとは何なんでしょうか?
グラミーは東南アジアに生息する熱帯魚で、アンテナと呼ばれる細い腹ビレを持つのが特徴です。
養殖も盛んに行われており、数多くの改良品種も生み出されています。
赤や青、黄色などの色鮮やかな体色はとても華やかできれいです。
飼育は簡単で、水質にもうるさくなく、温和な性格のため、混泳にも適しています。
【ラビリンス器官とは】
ゴールデングラミーにはラビリンス器官という器官があります。
その為、とても不思議で、とても便利な能力を持っています。
ラビリンス器官とは何でしょうか?
アナバスやベタなどのキノボリウオ亜目の魚にはエラブタの中に補助呼吸器官として上鰓(じょうさい)器官という器官を持ちます。
その上鰓(じょうさい)器官が複雑な構造をしていることから、ラビリンス器官と呼ばれています。
ラビリンス器官のおかげで口を水上に出して直接酸素を取り込むことができます。
アナバスやベタの仲間が生息している東南アジアの止水域と呼ばれる水域は、水の流れが極端に遅く水温が高いため水中の酸素が非常に少く、こうした場所で生き抜くために、補助呼吸器官としてラビリンス器官が発達し、空気呼吸できるようになりました。
熱帯魚屋さんやホームセンターなどで、ベタが本当に小さな水槽や瓶などで売られているのを見たことがあると思いますが、ベタはこのラビリンス器官のおかげで空気呼吸ができる為です。
ゴールデングラミーの基礎知識
【学名】
Trichogaster trichopterus var.
【種目】
スズキ目・キノボリウオ亜目・オスフロネムス科
【分布】
改良品種/原種は東南アジア
【サイズ】
15cm
【寿命】
3年〜5年
飼育環境により前後します。
飼育条件
[温度]
25度~28度
[水質]
弱酸性〜中性
[ 餌 ]
アカムシ、イトミミズ、冷凍赤虫、人工餌
[注意点]
ゴールデングラミーは飼育しやすい熱帯魚です。
ゴールデングラミーの原種スリースポットグラミーはもともと止水域と呼ばれる、ほとんど流れの止まった水草の生い茂った小川や湖などに生息しています。
ゴールデングラミーも水槽内には水草を多く使用したレイアウトにして、あまり水流を作らないようにして、流木などで隠れる場所を作ってあげましょう。
混泳
ゴールデングラミーの性格は温厚なので、他の熱帯魚との混泳は難しくありません。
複数匹での飼育で繁殖を楽しむこともできるでしょう。
ただし繁殖期になるとオスは攻撃的になるため、水草や流木でメスの隠れる場所を作ってあげましょう。
繁殖
ゴールデングラミーの繁殖は比較的容易です。
ゴールデングラミーの仲間は、オスが[泡巣]と呼ばれる泡でできた産卵場所を作り、その中にメスが産卵をするという変わった繁殖方法をとります。
水槽の水面が泡だらけになるので、水が汚れてしまったと勘違いしてしまうかもしれませんが、ゴールデングラミーの習性ですので焦る必要はありません。
アマゾンフロッグピットなどの浮き草を用意してあげると泡巣を作りやすいようですのでおすすめです。
こうなると、繁殖の準備が出来たということなのでペアリングしてあげると繁殖行動へ移るでしょう。
孵化
泡巣に産み付けられた卵は2〜3日で孵化し、稚魚はしばらくの間は泡巣にぶら下がっています。
生まれたての稚魚はかなり小さいため、インフゾリアなどを与え、ある程度大きくなった時に孵化したブラインシュリンプを与えましょう。