ベタは原産地がタイ_メコン川の熱帯魚[ベタ・スプレンデンス(Betta splendens)]の品種改良によって生まれた色彩豊かな熱帯魚です。
主に食べるのは動物性プランクトンや昆虫などであり基本的には肉食です。
現地では闘魚と呼ばれており、オスを複数混泳してしまうとケンカが始まりますが、その気性が荒さがベタの特徴です。
ベタのもう一つの特徴は、ラビリンス器官と呼ばれる器官の発達で、水面に口を出し空気中から酸素を取り込むことができるという事です。
ベタは非常に流れの緩やかな茶色く濁った河川に生息し、水中の酸素が少ないためにラビリンス器官が発達したと言われています。
これにより、熱帯魚店などで小さなコップ大のサイズの容器で売られていますが、水質や水温の維持が難しいので初めての方は真似をしない方が良いでしょう。
それではベタの種類を紹介していきます。
トラディショナルベタ
ベタといえばこのトラディショナルベタの事です。
流通量も多く値段も安いので一般的に一番目にするのではないでしょうか。
[フラッグテール]などと呼ばれる事もあります。
ベタの入門種としてオススメです。
ダブルテール
ダブルテールは尾ビレが上下に別れているタイプのベタです。
他の品種と比べると背ビレが大きいことも特徴です。
ダブルテールはメスも尾ビレが上下に分かれていますので、他の品種のメスに比べると綺麗で魅力的な印象を与えます。
フルムーン
ハーフムーンとダブルテールを掛け合わせて生まれた品種で、ハーフムーンよりもヒレが大きく、広く開きます。
その綺麗に舞うように開くヒレがまさに[満月]のように見えるとっても綺麗なベタです。
クラウンテール
クラウンテールは軟条(レイ)が突き出して、細長く開いている形状のヒレを持ちます。
ヒレの部分が王冠のように見える事から「クラウンテール」と呼ばれ、また、類似の種類でヒレがさらに変化した、キングテールやコームテールがいます。
キングテール
キングテールは尾ビレの先が枝分かれしてY字に広がり、ヒレの先で交差するのが特徴です。
キングテールはクラウンテールから生まれました。
その優雅な見た目とキングテールという名前から高貴な印象を与えます。
スーパーデルタ
スーパーデルタは名前の通り、尾ビレがデルタ型(三角形)に広がるベタです。
フレアリングの際の尾ビレの開きが120度〜180度のベタの事をスーパーデルタと呼びます。
体色のバリエーションが豊富なので、好みのカラーリングを探すのも楽しみの一つです。
尾ビレが大きく開くという共通点からハーフムーンと似ていますが、ハーフムーンとの違いは尾ビレの開く角度で、180度以上開く個体をハーフムーンと呼びます。
ハーフムーン
ハーフムーンの特徴としては、ハーフムーンの名前の由来ともなった、フレアリングの際に尾ビレが約180度以上に開く事です。
ヒレが大きく、開く角度も広いので大変綺麗な印象を与えます。
ハーフムーンはひれが大きいのでひれのトラブルに遭いやすい品種といえます。
プラカット
プラカットの特徴は他の種類のベタに比べてひれが小さい事で、一見してメスと変わらないくらいのひれの大きさです。
ひれが小さいので、他のベタと比較すると泳ぎがスムーズでひれの怪我などに悩まされることも少ないでしょう。
タイの言葉で[プラ]が魚という意味、[カット]が噛むという意味で、闘魚用に長年品種改良されてきた品種となります。
比較的原種に近い性質があり、非常に丈夫で飼いやすいタイプのベタです。
プラカットハーフムーン
プラカットハーフムーンはプラカットタイプの体型で半円に開く尾びれを持ちます。
ジャイアントプラカット
ジャイアントプラカットはプラカットの突然変異で大きく育つ品種を固定化したベタです。
しっかりと飼い込むと体長が8cm〜10cmを超える程大きくなり、どちらかというと小さくて可愛いベタの中では異彩を放つ迫力があります。
大きく優雅に泳ぐ姿が魅力的なベタなので餌をしっかりあげてより大きく育ててみてはいかがでしょうか。
ダンボ
ダンボは胸ビレが大きく成長するのが特徴のベタです。
象の耳のように見えることからダンボ以外にも[エレファント・イヤー]とも呼ばれる事もあります。
胸ビレをなびかせる姿は他のベタにはない魅力です。
ベタの基礎知識
【種目】
改良品種
【分布】
タイ、メコン川
【サイズ】
品種によって変わってきますが7cm〜10cm程度
【寿命】
1~3年
[温度]
25~28度
[水質]
弱酸性
飼育上の注意点
飼育温度が低温すぎると白点病になりやすくなります。
水温は25度前後に保った方が良いでしょう。
ベタなどのヒレの長い熱帯魚の病気でよく聞くのが[尾ぐされ病(カラムナリス病)]です。
背びれや尾びれが溶けたようにボロボロになる病気で[尾ぐされ病(カラムナリス病)]と呼ばれる細菌が感染して発病します。
感染する場所によって[尾ぐされ病]や[口ぐされ病]と呼ばれます。
対処法としては初期であれば0.5%濃度の塩水で塩浴させてあげれば完治する場合もあります。
塩浴の効果が見込めず病気が進行してしまっている場合は市販薬、グリーンFリキッドで薬浴治療をしてください。
[尾ぐされ病(カラムナリス病)]は完治まで長い時間がかかります。薬浴を行う日数は5日〜7日間くらいです。
薬浴の間はエサは普段の半分くらいにしましょう。
グリーンFゴールドリキッドは、カラムナリス病だけでなく、コショウ病、白点病など広い範囲の病気に効きます。持っておくと便利です。
カラムナリス病(尾ぐされ病・口ぐされ病)は進行の早い病気です。エラや口に発症してしまうと命に関わってきますので早期発見、早期治療を心がけましょう。
ベタの飼育情報と飼育用品
[ ベタの餌 ]
ベタの餌には与えた量が分かり易く、浮上性の粒状のエサがオススメです。
一粒ずつあげると食べ残しにならないです。
ベタは水面に浮いたエサしか食べませんので、ベタの目の前に一粒ずつ落としてあげましょう。
栄養バランスを考えて
天然エサの乾燥赤虫もベタが大好きなのでオススメです。
[ ベタの飼育環境 ]
ベタはその大きなヒレがあるために水の流れを苦手とします。
ベタの飼い方としては、あまり大きな水槽はオススメできません。
小さめのサイズで飼育しましょう。
水づくり
【ベタの好みの水質と水温】
[水質]・・・・・弱酸性
[水温]25~28度
ベタは水質にあまり神経質ではありませんのでpH7前後であれば問題ないでしょう。
初めてベタを迎え入れる時は
一週間程前に水槽に水を入れヒーターを入れ、ろ過器を稼働させておく事が重要になります。
これをする事でベタが生きて聞くのに必要な、水槽を綺麗に保つ為のバクテリアが水槽内やろ過器内に発生します。
【水合わせ】
買ってきたベタを水槽に入れるときは[水質][水温]共に、ゆっくりならしてから水槽に入れてあげましょう。
この作業を[水合わせ]と言います。
水合わせは専用のチューブなどで水槽の水を一滴ずつ混ぜて水質にならす作業ですが、
ベタくらいのサイズなら買ってきた状態の袋に数カ所、小さな穴を開けて水槽にプカプカ浮かせておけば大丈夫だと思います。
水槽を水草水槽にする
ベタの水槽を水草水槽にしてみてはいかがでしょうか。
水草水槽は見た目の美しさのみではなく水質を改善する効果もあります。
水槽の底の低床材が砂利では水草は育ちませんので、水草を育てるなら、ソイルを敷きましょう。
ソイルはバクテリアの住処になり水質の安定と調整に一役買います。
好みの水草を購入し、ソイルにピンセットで植えていけば水草水槽の出来上がりです。
また、ソイルは水質を弱酸性に傾ける性質があるのでベタの飼育環境という面からもオススメです。
水草水槽にしたとしても他の熱帯魚との混泳は避けたほうが良いでしょう。
ベタの繁殖
ベタの産卵は、まずオスとメスをペアリングというお見合いをさせることから始まります。
ベタのオスは、繁殖期になると泡巣と呼ばれる卵の産卵床の代わりの泡のかたまりを作ります。
メスはお腹が膨らんでくると産卵準備が整っています。
ベタのペアリングはオスとメスを水槽に同時に入れず、隣り合う水槽でお見せ合いをさせます。
メスのOK合図はお腹の縞模様です。
オスが作る泡巣のサイズが大きくなってくれば、お互いを同じ水槽に入れても大丈夫です。
オスは求愛としてメスを追いかけ、泡巣に誘い込みます。
メスはそのまま泡巣に産卵します。
オスはこの一連の流れでメスに激しいアタックし過ぎてしまい、メスの尾びれが傷ついてしまう事もありますが、ぐっと我慢です。
卵が孵化して生まれたばかりの稚魚は小さすぎて人口餌を食べることができないので、小さな小さなエビの仲間[ブラインシュリンプ]を沸かしてあげましょう。
混泳
ベタは闘魚と呼ばれる程、気性が強いので混泳は向きません。
まとめ
ベタの飼い方、いかがでしたでしょうか。
ベタは比較的人に慣れやすい熱帯魚です。水槽のそばにいるときや、餌をあげる時によってきてくれたり、直接手から餌を食べてくれたりするほど、人になれますので。
ぜひ愛情を持って育ててあげてくださいね。