おばけえび/アルテミア/ブラインシュリンプ /飼育観察

おばけえび/アルテミアは別名をブラインシュリンプと言い、節足動物のなかまです。

節足動物(せっそくどうぶつ)とは体の外側に骨格を持ち、関節を持つグループで主に昆虫類・甲殻類・クモ類・ムカデ類などの仲間です。

いわゆる[虫]と呼ばれる生き物は節足動物のグループに入ります。

実は節足動物は動物界で一番大きなグループで、全ての動物約110万種85%以上を占め、陸・海・空・土中・寄生などいろんな場所に進出して様々な生態系と深く関わっています。

なので、おばけえび/アルテミアはこれらの動物、昆虫やエビ・カニに近い生物と言え、さらに節足動物の中でも、甲殻類のあしのつけねにえらを持つグループ、鰓脚綱(さいきゃくこう)の仲間、ホウネンエビ・カブトエビ・ミジンコ等と同じグループです。

おばけえび/アルテミアの祖先は、数億年前の古生代に現れたといわれています。

恐竜の時代より前から地球上にいて、現在も同じ姿で生きているおばけえび/アルテミアは[生きている化石]といわれています。

これは古代魚と同じ仲間といっても過言ではありませんねー。

おばけえび/アルテミアはなんと普段は卵胎生で、環境が厳しくなると卵生になり耐久卵を生むそうです。

【卵生と卵胎生】

卵生の生物は文字通り卵を産みます。卵胎生の生物は体の中で卵を孵化させ、幼体を出産します。

ブラインシュリンプとしてのおばけえび/アルテミア

おばけえび/アルテミアはブラインシュリンプという名前で熱帯魚を飼っている人には有名だと思います。

熱帯魚を飼っていると繁殖を試みた際に小さすぎる稚魚の餌に困ることが多く、24時間で孵化するブラインシュリンプは稚魚の餌としてうってつけで、自分で孵化させる人は多いです。また、ブラインシュリンプの乾燥耐久卵は保存性が高いのも理由の一つだと言えます。

ブラインシュリンプは植物プランクトンなどを与えるとすぐに大きくなるので(1日でひとまわりほど大きくなります。)与える魚のサイズに合わせて大きさを調整させることが可能です。

おばけえび/アルテミアの生態

おばけえび/アルテミアの別名ブラインシュリンプは英語でブライン[塩水]、とシュリンプ[エビ]という意味の名前です。

おばけえび/アルテミアはアメリカのグレートソルト湖やサンフランシスコの湖などの塩水の湖、塩湖に生息しています。

おばけえび/アルテミアの基礎知識

【分布】

アメリカ合衆国のグレートソルト湖
サンフランシスコの湖
フランスのセッテの湖
中国の遼東半島の湖

【サイズ】

10mm〜15mm

【寿命】

約3ヶ月

[温度]

27度

[水質]

1~3%の塩水

【水質について_詳しくはこちら】

おばけえび/アルテミアの孵化

【飼育観察キットで孵化】

学研ステイフルから飼育観察キットとして[おばけえび飼育観察キット]が発売されています。

じっくり飼育観察したいならこちらの商品がオススメです。

【おばけえび飼育観察キット】

[価格]1,620円(税込)
[メーカー]学研ステイフル
アメリカの塩湖に住む「アルテミア・サリーナ」というプランクトンを、卵から育てるキット。うまく育てると、生まれた赤ちゃんは20日ほどで親になって卵を産む。付属の観察ブックに成長過程をまとめれば、夏休みの自由研究にもぴったり。

【餌用のブラインシュリンプエッグを孵化】

また、熱帯魚の稚魚用の餌としてのおばけえび/アルテミアの卵はブラインシュリンプエッグスという商品名です。

ブラインシュリンプの卵は塩分濃度2%の塩水(水1リットルに塩20g。)で水温15度〜25度だと孵化します。

25度前後だと24時間で孵化しますが、水温がそれより低かったり高かったりすると、それに比例して孵化も遅くなったり早くなったりします。

またエアレーションを使うと酸素量が増えるので効果的です。

【テトラ (Tetra) ブラインシュリンプエッグス 20cc 】

[価格]507円(税込)
[メーカー]テトラ (Tetra)

おばけえび/アルテミアの飼育情報と飼育用品

[ おばけえび/アルテミアの餌 ]

植物性プランクトンです。

水をはったバケツに熱帯魚の餌などを入れ、数日間、日光の当たる野外においておきます。

植物性プランクトンが自然に発生するでしょう。

[ おばけえび/アルテミアの飼育環境 ]

おばけえび/アルテミアを飼育する飼育容器は小型の水槽かプラケースなどで大丈夫です。

飼育水は塩分濃度2%の塩水(水1リットルにたいして2gの塩)です。

まとめ

おばけえび/アルテミアの生態説明いかがでしたでしょうか?

よく見ると不思議で可愛いアルテミアでした。

今回は餌としてではなく生態として、おばけえび/アルテミアを取り上げてみましたが、他にもアルテミアを少し品種改良して教材として販売されている[シーモンキー]という商品も有名ですよね。

成長しても10mm〜15mmくらいにしかならず、餌も日光で勝手に増える植物性プランクトンと場所とらず、手間いらずの小さなペットとして、おばけえび/アルテミアを飼育敷いてみてはどうでしょうか。