クロメダカは一般的に出回っているヒメダカや楊貴妃メダカなどの改良品種と差別化するための野生のメダカを呼び名です。
アクアリウムの世界では日本各地の自然下の水辺や川、田んぼにいる野生のメダカをこう呼んでいますが、正確にはミナミメダカやキタノメダカなどにわかれています。
メダカと言えばオレンジ色をしたヒメダカを想像する人もいると思いますが自然界で生息するメダカはクロメダカです。
クロメダカは1980年代あたりから環境の変化により、日本各地でクロメダカが生息するための流れが緩やかで綺麗な小川などが減少し、生息数が減少しました。
このような問題によって1999年2月に環境庁(当時)が発表したレッドリストにて絶滅危惧II類にメダカ(クロメダカ)が記載されました。
メダカ(クロメダカ)は2003年5月に環境省により絶滅危惧種として指定されました。
クロメダカは黒味がかった体をしているので[黒メダカ]の名で呼ばれますが厳密には灰色、もしくは茶色に近い色をしています。
現在では改良品種でさらに黒みの強いブラックメダカや黒幹之(くろみゆき)メダカ、オロチメダカなどがいます。
また正反対の色としては全身が真っ白のシロメダカやアルビノメダカなども綺麗で可愛いメダカです。
【メダカ飼育のおすすめ書籍】
【学名】
Oryzias latipes
【種目】
メダカ科メダカ属
【分布】
本州~沖縄
【サイズ】
4cm
【寿命】
3年
飼育条件
[温度]0度〜38度(繁殖:18度〜26度)
[水質]弱酸性〜中性〜弱アルカリ性
もう少し詳しく水質を解説
【[水質]についてはこちら】
[ 餌 ]人口餌
[注意点]
クロメダカは丈夫な魚なので簡単に飼育することができます。
飼育容器としては多岐にわたり、睡蓮鉢、ガラスやアクリルの水槽、大型の衣装ケースや発泡スチロールなどで飼育している人がいます。
上見(うわみ)と横見(よこみ)、どちらからクロメダカを鑑賞したいかで飼育容器を選びましょう。
【上見(うわみ)と横見(よこみ)とは】
読んで字のごとく、魚の姿を上から鑑賞することを上見(うわみ)といいます。
それに対して魚の姿を横から鑑賞することを横見(よこみ)といいます。
尾ひれが開くらんちゅうなどは上見(うわみ)が好まれますが、朱文金などのスマートな金魚は横見(よこみ)で横から鑑賞します。
あくまで好みですがメダカは睡蓮鉢などで上見鑑賞の方が趣がありオススメです。
水草はクロメダカの隠れ家になるだけではなく、水中に酸素を補給する役割や、水を浄化する作用がありますので、なるべく水草を入れた方が良いでしょう。
また、ホテイアオイなどの浮き草タイプの水草はメダカの良い産卵場所になります。
水草レイアウトにする場合は、水草は砂利では育ちません。
底床にソイルを敷きましょう。
アンモニアを分解して水を綺麗にするバクテリアの住処になるのでオススメです。
野外飼育のする際は、水槽の設置場所をできるだけ日当たりの良い場所に置くと良いそうです。
クロメダカが丈夫で健康な状態を維持でき、病気にかかりにくくなります。
とはいえ、夏場などの気温が高い季節は直射日光で水温が上がりすぎてしまうので工夫が必要です。
すだれなどを半分かけて影を作り、涼しい場所を作るなどしましょう。
混泳
ヤマトヌマエビ、ミナミヌマエビなどの小型のエビや貝類などは大丈夫です。
クロメダカが食べられてしまうような中型大型の肉食魚とは混泳できません。
メダカは色々と種類が豊富ですが、もともとは同じ魚です。混泳させると交配してしまいますので、種類ごとに分けて交配しないように飼育しましょう。
繁殖
クロメダカの繁殖はとても簡単で春~秋にかけて産卵をします。
クロメダカは水温18度以上で日照時間が12~13時間以上の環境下で産卵を行います。
また、エサをしっかり与えていないと産卵に影響しますので、日頃からしっかりと餌やりをしてください。
水槽オスメス数匹群泳させて飼育水槽がいっぱいになるほど水草をいれておきましょう。
しばらく飼育していると、水草に小さな卵を産んでいます。
クロメダカの稚魚は孵化すると人口餌では大きすぎて食べることができませんが、水槽に発生しているプランクトンを食べているので、特別に餌をあげる必要はありません。
植物性プランクトンが発生した緑色のグリーンウォーターを餌としてあげるか、グリーンウォーターで飼育するのが良いでしょう。
水温や水質の変化がないように水換えは極力しないようにしましょう。
【グリーンウォーターでメダカの稚魚を育てる】
水中で植物性プランクトンが発生し緑色になった水をグリーンウォーターと呼びます。
このグリーンウォーターはメダカや金魚の飼育に大変適しています。
まだ小さすぎて人口餌を食べることのできない稚魚などはグリーンウォーター内の植物性プランクトンを食べて大きくなります。
グリーンウォーターの作り方は、容器に入れた水を日光の当たる場所に置いておくと植物性プランクトンがわき、緑色のグリーンウォーターになります。