エンペラーテトラは体の中央に太く黒いラインが入り、そこから上へ青紫色のグラデーションが入るのが特徴の熱帯魚で、アイシャドウのような妖艶さを醸し出します。
この黒いラインの入り方が、ブラックネオンテトラやペンギンテトラと似ていますが実はもっとそっくりな魚がいます。
それはインパイクティスケリーという熱帯魚で同じカラシンの仲間ですが完全に別種です。
この2種はそっくりで本当に見分けがつきません。一番のわかりやすいのはエンペラーテトラの尾びれは3つに分かれるところではないでしょうか。
インパイクティスケリーは現在の上皇様が皇太子時代の、1978年に行われた[ブラジル移民70周年記念式典]へブラジルを訪問した際に寄贈され日本へ持ち帰ったのが最初みたいです。
そう考えるとインパイクティスケリーの方がエンペラーテトラっぽいですね。
エンペラーテトラの出身地はコロンビアです。
南米特有の弱酸性を好み、ストレスない環境で育てるとアイシャドウのような青紫やひれの黄色が鮮やかに色づきます。
【テトラとは】
カラシン目カラシン科の小型の熱帯魚のことです。
多くの種類が南米出身で、サイズは数センチほどの小さい熱帯魚です。
【カラシンとは】
エンペラーテトラはカラシンという種類の熱帯魚です。
カラシンの特徴は背びれと尾びれの間に[アブラビレ]という小さなヒレがある事と、あごに歯が発達していることです。
カラシンの種類は多く、約1600~1700種類ほど存在し、主にアフリカと中南米に生息しています。。
これはグループとしてはかなり多い方の部類で、ネオンテトラなどの小さな熱帯魚から、ピラニア、ゴライアスタイガーフィッシュなどの大型の熱帯魚までが入ります。
【学名】
ematobrycon palmeri
【種目】
カラシン目カラシン科
【分布】
コロンビア
【サイズ】
5cm
【寿命】
3年〜5年
飼育条件
[温度]
23〜25度
[水質]
エンペラーテトラは南米出身ですので弱酸性〜中性の水質を好みます。
[ 餌 ]人口餌
[注意点]
水温が高いと調子を崩してしまうので温度管理はしっかりとしましょう。
エンペラーテトラは餌は人工餌で大丈夫ですがなんでもよく食べますのでエンペラーテトラの為にも生き餌や冷凍赤ミミズなどバランスよく食べさせてあげましょう。
現地では群泳している熱帯魚なので単独飼育をするとストレスで調子が悪くなります。出来るだけ複数飼育で群泳させてあげましょう。
混泳
エンペラーテトラは少し縄張り意識が強いですが同じようなサイズの熱帯魚との混泳だと大丈夫です。
ただし、エンペラーテトラに攻撃をするような熱帯魚や、大型の肉食魚などは食べられてしまうので混泳はできません。
エンペラーテトラは群泳の性質を持つ熱帯魚なので10匹、50匹、100匹と水槽のサイズに合わせて沢山群泳させてあげましょう。
具体的な混泳相手としては、同じような種類のネオンテトラ、カージナルテトラ、ラミーノーズテトラ等のカラシン。
水槽の底で生活する、オトシンクルス、コリドラス・ローチ、ヤマトヌマエビ、ミナミヌマエビ、レッドラムズホーン等がおすすめです。
繁殖
エンペラーテトラの繁殖は難しそうですが不可能ではなさそうです。
エンペラーテトラは他の小型カラシン同様にばらまき型の産卵方式をとる熱帯魚です。
なので、ばらまき型に対応した繁殖準備を行うと良さそうです。
ばらまき型の熱帯魚は水質や水草などの環境が良ければ知らない間に産卵して稚魚が生まれていたりしますが、ほとんどの場合が知らない間に他の成魚に食べられてしまっています。
なので、エンペラーテトラなどのばらまき型熱帯魚の繁殖は産卵のことより食卵の事を注意する必要があります。
若い健康な成魚を用意する
エンペラーテトラの成魚を用意します。
まず、オスとメスを分けます。メスのお腹は卵があるので膨らんで見えます。
繁殖は雌1匹に対して雄を2匹~3匹程度の割合でペアリングすると確率が上がります。
【産卵用の水槽を準備します】
ピートモスなどで、pH5.5前後の弱酸性水を用意しましょう。
そして部屋のカーテンを閉めたり照明を暗くするなどして薄暗い環境を用意しましょう。
ブラックウォーターには抗菌・殺菌効果があり、故郷のコロンビアの川に水質の環境が似ているので、ピートモスやマジックリーフなどを用いてブラックウォーターの環境を作るもの効果的です。
園芸用の鉢底ネットなどで水槽の上下を分けます。
上の部屋でエンペラーテトラをペアリングして、卵を産むと、ネットを通り卵だけ下におちます。
【稚魚の世話】
卵が確認できましたら親魚は元の水槽に戻します。
エンペラーテトラの稚魚が生まれたら、最初は小さすぎて普通の餌は食べられません。
インフゾリアを与えるか卵黄を溶かしてあげましょう。少し大きくなる生後1週間くらいでブラインシュリンプ、すりつぶした人口餌など、そこから大きさに応じて通常の餌と段階を上げてえさエサをしていきましょう。