シルバーチップテトラの飼い方/混泳・大きさ・繁殖・種類

シルバーチップテトラは黄金に輝く体と各ヒレの先端が真っ白に色づく、別名ハセマニアと呼ばれる熱帯魚です。

尾ビレの付け根から体方面へ黒が入り、金色と白黒の組み合わせはまるで尾形光琳の代表作、国宝[紅白梅図屏風]のような荘厳さと枯淡の対比をイメージさせます。

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国宝[紅白梅図屏風]は、[風神雷神図屏風]で有名な俵屋宗達の流れをくむ[琳派]の絵師のひとり尾形光琳が晩年に手がけた代表作です。

琳派芸術の最高傑作ともされるこの屏風に描かれるのは[左右に対比して描かれる紅白の梅の花][画面上部から下部へと末広がりに流れる水流]で、尾形光琳は俵屋宗達の様式に傾倒していたことは大変有名ですが、この[紅白梅図屏風]も俵屋宗達の[風神雷神図屏風]の対照性を強く意識されていると考えられています。

シルバーチップテトラはヒレ先の白のポイントが[紅白梅図屏風]の白梅の儚さを彷彿させ、性格も温和な事から群泳さす事で、まるで琳派の金屏風のような世界観を水槽で表現できるかもしれません。

グリーンファイヤーテトラと混泳して、緑との対比で[風神雷神図屏風]を表現するのも面白いかもしれません。

また、シルバーチップテトラはカラシンには珍しく[アブラビレ]がないのも特徴です。

【テトラとは】

カラシン目カラシン科の小型の熱帯魚のことです。

多くの種類が南米出身で、サイズは数センチほどの小さい熱帯魚です。

【カラシンとは】

シルバーチップテトラはカラシンという種類の熱帯魚です。
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シルバーチップテトラにはありませんが、カラシンの特徴は背びれと尾びれの間に[アブラビレ]という小さなヒレがある事と、あごに歯が発達していることです。

カラシンの種類は多く、約1600~1700種類ほど存在し、主にアフリカと中南米に生息しています。

これはグループとしてはかなり多い方の部類で、ネオンテトラなどの小さな熱帯魚から、ピラニア、ゴライアスタイガーフィッシュなどの大型の熱帯魚までが入ります。

【学名】
Hasemania nana

【種目】
カラシン目カラシン科

【分布】
ブラジル

【サイズ】
4cm

【寿命】
2年〜3年

飼育条件

[温度]
25〜28度

[水質]

シルバーチップテトラは南米出身なので弱酸性〜中性の水質を好みます。

【水質について_詳しくはこちら】

[ 餌 ]人口餌

[注意点]
シルバーチップテトラは大変丈夫な熱帯魚です。

水質や水温の適応範囲が広いので初心者にも飼育しやすい種類でしょう。

餌は人工餌で大丈夫ですがなんでもよく食べますのでシルバーチップテトラの為にも生き餌や冷凍赤ミミズなどバランスよく食べさせてあげましょう。

現地では群泳している熱帯魚なので単独飼育をするとストレスで調子が悪くなります。出来るだけ複数飼育で群泳させてあげましょう。

【ネオン病(カラムナリス病)についてはこちら】

【魚の病気についてはこちら】

【熱帯魚飼育の始め方についてはこちら→[アクア入門]】

混泳

シルバーチップテトラの性格は非常に温和ですので、混泳はしやすいでしょう。シルバーチップテトラ側から攻撃を仕掛けることはありません。

ただし、シルバーチップテトラに攻撃をするような熱帯魚や、大型の肉食魚などは食べられてしまうので混泳はできません。

シルバーチップテトラは臆病な熱帯魚なので10匹、50匹、100匹と水槽のサイズに合わせて沢山群泳させてあげましょう。

また、水質のことを考えるとアフリカ原産の熱帯魚はアルカリ性の水質を好む傾向にあるため混泳はできません。

具体的な混泳相手としては、同じような種類のネオンテトラカージナルテトラ、ラミーノーズテトラ等のカラシン。

水槽の底で生活する、オトシンクルス、コリドラス・ローチ、ヤマトヌマエビ、ミナミヌマエビ、レッドラムズホーン等がオススメです。

繁殖

シルバーチップテトラはばらまき型と呼ばれる繁殖形態をとります。

なので、ばらまき型の繁殖準備をすると良いでしょう。

シルバーチップテトラのようなばらまき型の熱帯魚は知らないうちに産卵し、知らないうちに稚魚が生まれ、知らないうちに成魚に食べられている事がよくあります。

ですので、ばらまき型熱帯魚の繁殖は産卵の事より、食卵に気を使う事が重要です。

若い健康な成魚を用意する

メスのお腹は卵があるので膨らんで見えます。

無精卵の確率を下げる為にも、繁殖は雌1匹に対して雄を2匹~3匹程度の割合でペアリングすると確率が上がります。

【産卵用の水槽を準備します】

ピートモスなどで、pH5.5前後の弱酸性水を用意して、水温は26度にします。

そして部屋のカーテンを閉めたり照明を暗くするなどして薄暗い環境を用意しましょう。

ブラックウォーターには抗菌・殺菌効果があり、故郷のブラジルの川に水質の環境が似ているので、ピートモスやマジックリーフなどを用いてブラックウォーターの環境を作るもの効果的です。

そして水槽の底に産卵床としてウィローモスなどを敷き詰めます。

食卵対策で園芸用の鉢底ネットなどで水槽の上下を分けるのも手です。

上の部屋でシルバーチップテトラをペアリングして、卵を産むと、ネットを通り卵だけ下におちます。

【稚魚の世話】

卵が確認できましたら親魚は元の水槽に戻します。

シルバーチップテトラの稚魚が生まれたら、最初は小さすぎて普通の餌は食べられません。

インフゾリアを与えるか卵黄を溶かしてあげましょう。少し大きくなる生後1週間くらいでブラインシュリンプ、すりつぶした人口餌など、そこから大きさに応じて通常の餌と段階を上げてえさエサをしていきましょう。