ブラックファントムテトラの飼い方/混泳・大きさ・繁殖・種類

ブラックファントムテトラは漆黒の体色にコバルトブルーと黒のスポットが神秘的な雰囲気の熱帯魚です。

ブラックテトラと体形や色彩の感じが少し似ていますが、あちらはクロムハーツ的な色彩で性格もロックですが、こちらのブラックファントムテトラは陶磁器で国宝の耀変天目茶碗(ようへんてんもくちゃわん)のような妖艶な雰囲気の色彩をしています。

耀変天目茶碗
耀変天目茶碗(ようへんてんもくちゃわん)は約800年前に中国南部の福建省で作られた世界の陶芸史上でも最も美しい茶碗です。

鎌倉時代に中国から交易品として日本に伝わり、現在では世界に4つしか存在せず、そのすべてが日本にあり、3つが国宝に指定されている大変貴重なもので現在でも作り方がわかっていないそうです。

ブラックファントムテトラの性格は温厚ですのでそういったところも、はんなりとした陶磁器の世界と似ていますね。

メスはオスとは違い少し赤味がかった色彩をしています。

ファントム体形

テトラの世界ではファントムテトラという名前をよく聞くと思いますが、ファントム体形とは体高が高く、背ビレと尻ビレ(体の下側のヒレ)が大きく伸張し、体にスポットを持つテトラの事です。

オス同士が縄張り争いの際にフィンスプレッディングというヒレを大きく広げるしぐさをするのも特徴で、ベタの世界ではフレアリングとも呼びますね。

テトラとは

カラシン目カラシン科の小型の熱帯魚のことです。

多くの種類が南米出身で、サイズは数センチほどの小さい熱帯魚です。

カラシンとは

ブラックファントムテトラはカラシンという種類の熱帯魚です。
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カラシンの特徴は背びれと尾びれの間に[アブラビレ]という小さなヒレがある事と、あごに歯が発達していることです。

カラシンの種類は多く、約1600~1700種類ほど存在し、主にアフリカと中南米に生息しています。

これはグループとしてはかなり多い方の部類で、ネオンテトラなどの小さな熱帯魚から、ピラニア、ゴライアスタイガーフィッシュなどの大型の熱帯魚までが入ります。

【学名】
Hyphessobrycon megalopterus

【種目】
カラシン目カラシン科

【分布】
ブラジル、グァポレ川、パラグアイ川

【サイズ】
3cm~5cm

【寿命】
2年~3年

飼育条件

[温度]
24〜28度

[水質]

ブラックファントムテトラは南米出身なので弱酸性〜中性の水質を好みます。

【水質について_詳しくはこちら】

[ 餌 ]人口餌

[注意点]
ブラックファントムテトラは大変丈夫な熱帯魚です。

水質や水温の適応範囲が広いので初心者にも飼育しやすい種類でしょう。

餌は人工餌で大丈夫ですがなんでもよく食べますのでブラックファントムテトラの為にも生き餌や冷凍赤ミミズなどバランスよく食べさせてあげましょう。

現地では群泳している熱帯魚なので単独飼育をするとストレスで調子が悪くなります。出来るだけ複数飼育で群泳させてあげましょう。

【ネオン病(カラムナリス病)についてはこちら】

【魚の病気についてはこちら】

【熱帯魚飼育の始め方についてはこちら→[アクア入門]】

混泳

ブラックファントムテトラの性格は温和ですので、混泳はしやすいでしょう。ブラックファントムテトラ側から攻撃を仕掛けることはありません。

同種間で小競り合いする事はありますが他の魚に危害を加えることはありません。

ただし、ブラックファントムテトラテトラに攻撃をするような熱帯魚や、大型の肉食魚などは食べられてしまうので混泳はできません。

ブラックファントムテトラは臆病な熱帯魚なので10匹、50匹、100匹と水槽のサイズに合わせて沢山群泳させてあげましょう。

また、水質のことを考えるとアフリカ原産の熱帯魚はアルカリ性の水質を好む傾向にあるため混泳はできません。

具体的な混泳相手としては、同じような種類のネオンテトラカージナルテトラ、ラミーノーズテトラ等のカラシン。

水槽の底で生活する、オトシンクルス、コリドラス・ローチ、ヤマトヌマエビ、ミナミヌマエビ、レッドラムズホーンがおすすめです。

繁殖

若い健康な成魚を用意する

カラシン科の繁殖は難しいといわれますがブラックファントムテトラはカラシン科の中では比較的、繁殖が容易とされています。

ブラックファントムテトラはばらまき型と呼ばれる産卵形式をとりますので、ばらまき型の産卵準備をしましょう。

まず、オスとメスを分けます。メスのお腹は卵があるので膨らんで見えます。

無精卵の確立を下げるためにも繁殖は雌1匹に対して雄を2匹~3匹程度の割合でペアリングすると確率が上がります。

【産卵用の水槽を準備します】

ピートモスなどで、pH5.5前後の弱酸性水を用意して、水温は26度にします。

そして部屋のカーテンを閉めたり照明を暗くするなどして薄暗い環境を用意しましょう。

ブラックウォーターには抗菌・殺菌効果があり、故郷のグァポレ川、パラグアイ川に水質の環境が似ているので、ピートモスやマジックリーフなどを用いてブラックウォーターの環境を作るもの効果的です。

そして水槽の底に産卵床となるウィローモスを敷き詰めましょう。

食卵対策に園芸用の鉢底ネットなどで水槽の上下を分けるのも手です。

上の部屋でブラックファントムテトラをペアリングして、卵を産むと、ネットを通り卵だけ下におちます。

【稚魚の世話】

卵が確認できましたら、水槽の水温を30度くらいまであげましょう。その際、親魚は元の水槽に戻します。

ブラックファントムテトラの稚魚が生まれたら、最初は小さすぎて普通の餌は食べられません。

インフゾリアを与えるか卵黄を溶かしてあげましょう。少し大きくなる生後1週間くらいでブラインシュリンプ、すりつぶした人口餌など、そこから大きさに応じて通常の餌と段階を上げてえさエサをしていきましょう。