ブラックテトラは銀色に輝く体に黒の色彩をあわせた、いぶし銀的な魅力を持つ熱帯魚です。
似た熱帯魚でブラックファントムテトラがいますが、ブラックファントムテトラは体中央の模様が青と黒の組み合わせなのにたいし、こちらのブラックテトラは黒のみで縦に2本線のような模様ですね。
水草水槽でアクアリウムを楽しむ際にどこに重きを置くかのパワーバランスってあると思うんですが、[全体がカラフルな水槽]にしたい場合や[水草メインの明るい水槽]にしたい場合などは、このブラックテトラは少し違うような感じです。
ですが、[魚をメインに背景として水草をレイアウトした水槽]のようなコンセプトの水槽だと、このブラックテトラは体長も5cm~6cmと肉厚に成長し、小型カラシンの中では大きめですし、なによりこのクロムハーツのような銀色と黒の渋めのカラーリングが主役感が溢れ出ています。
また、ブラックテトラはテリトリー意識が強く、温和な熱帯魚との混泳では攻撃的になったり、水草をかじったりと少しロックな性格を持ち合わせています。
こういったところもクロムハーツっぽいので長所として受け入れましょう。
【テトラとは】
カラシン目カラシン科の小型の熱帯魚のことです。
多くの種類が南米出身で、サイズは数センチほどの小さい熱帯魚です。
【カラシンとは】
ブラックテトラはカラシンという種類の熱帯魚です。
カラシンの特徴は背びれと尾びれの間に[アブラビレ]という小さなヒレがある事と、あごに歯が発達していることです。
カラシンの種類は多く、約1600~1700種類ほど存在し、主にアフリカと中南米に生息しています。
これはグループとしてはかなり多い方の部類で、ネオンテトラなどの小さな熱帯魚から、ピラニア、ゴライアスタイガーフィッシュなどの大型の熱帯魚までが入ります。
生体情報
【学名】
Gymnocorymbus ternetzi
【種目】
カラシン目カラシン科
【分布】
南米、パラグアイ、アルゼンチン
【サイズ】
5cm~6cm
【寿命】
3年~5年
飼育条件
[温度]
22〜28度
[水質]
ブラックテトラは南米出身なので弱酸性〜中性の水質を好みます。
[ 餌 ]人口餌
[注意点]
ブラックテトラは大変丈夫な熱帯魚です。
水質や水温の適応範囲が広いので初心者にも飼育しやすい種類でしょう。
餌は人工餌で大丈夫ですがなんでもよく食べますのでブラックテトラの為にも生き餌や冷凍赤ミミズなどバランスよく食べさせてあげましょう。
現地では群泳している熱帯魚なので単独飼育をするとストレスで調子が悪くなります。出来るだけ複数飼育で群泳させてあげましょう。
混泳
ブラックテトラは攻撃的な部分がありますので温厚な熱帯魚との混泳は様子をみながら合わせていきましょう。
もちろんブラックテトラに攻撃をするような大型の肉食魚などは食べられてしまうので混泳はできません。
また、水質のことを考えるとアフリカ原産の熱帯魚はアルカリ性の水質を好む傾向にあるため混泳は避けた方がよさそうです。
水槽の底で生活する、オトシンクルス、コリドラス・ローチ、ヤマトヌマエビ、ミナミヌマエビ、レッドラムズホーンは問題なさそうです。
繁殖
若い健康な成魚を用意する
カラシン科の繁殖は難しいといわれますがブラックテトラはカラシン科の中では比較的、繁殖が容易とされています。
ブラックテトラはばらまき型と呼ばれる産卵形式をとりますので、ばらまき型の産卵にあわせた準備をしましょう。
まず、オスとメスを分けます。メスのお腹は卵があるので膨らんで見えます。
繁殖は無精卵の確立を下げるために雌1匹に対して雄を2匹~3匹程度の割合でペアリングすると確率が上がります。
【産卵用の水槽を準備します】
ピートモスなどで、pH5.5前後の弱酸性水を用意して、水温は26度にします。
そして部屋のカーテンを閉めたり照明を暗くするなどして薄暗い環境を用意しましょう。
ブラックウォーターには抗菌・殺菌効果があり、故郷のパラグアイやアルゼンチンの川に水質の環境が似ているので、ピートモスやマジックリーフなどを用いてブラックウォーターの環境を作るもの効果的です。
そして水槽の底にはウィローモスを敷き詰めておきましょう。
園芸用の鉢底ネットなどで水槽の上下を分けるのも手です。
上の部屋でブラックテトラをペアリングして、卵を産むと、ネットを通り卵だけ下におちます。
【稚魚の世話】
卵が確認できましたら、水槽の水温を30度くらいまであげましょう。その際、親魚は元の水槽に戻します。
ブラックテトラの稚魚が生まれたら、最初は小さすぎて普通の餌は食べられません。
インフゾリアを与えるか卵黄を溶かしてあげましょう。少し大きくなる生後1週間くらいでブラインシュリンプ、すりつぶした人口餌など、そこから大きさに応じて通常の餌と段階を上げてえさエサをしていきましょう。