ブルーグラミーは[スリースポットグラミー]というグラミーの改良品種で、青色を鮮やかにしたマーブル模様の体と白いドットが入ったヒレが特徴の中型グラミーです。
[スリースポットグラミー]のスリースポットとは、体の側面に入る2つのスポットと目を合わせて3つのスポットが入るように見える事から来ていますが、それはこのブルーグラミーにも現れています。
ブルーグラミーの青いマーブル模様はとても珍しく、南米アルゼンチンとチリの神秘的な蒼い光を放つ洞窟[マーブルカテドラル]のそれを思い浮かべます。
マーブルカテドラルは世界一美しい洞窟です。
マーブルカテドラルは南米屈指の広大なエリア、秘境パタゴニア内の湖にあります。
この湖はアルゼンチンとチリの国境にあるのでアルゼンチン名がブエノス・アイレス湖、チリ名がヘネラル・カレーラ湖と呼ばれます。
マーブルカテドラルを形作る大理石はマグマに溶かされた石灰岩がもう一度固まった際の模様ですので、マーブル模様が綺麗な流線形を生み出し、他では見ることのできない絶景を生み出しています。
【グラミーとは】
ブルーグラミーのようにグラミーと名前につく熱帯魚はたくさんいますがグラミーとは何なんでしょうか?
グラミーは東南アジアに生息する熱帯魚で、アンテナと呼ばれる細い腹ビレを持つのが特徴です。
養殖も盛んに行われており、数多くの改良品種も生み出されています。
赤や青、黄色などの色鮮やかな体色はとても華やかできれいです。
飼育は簡単で、水質にもうるさくなく、温和な性格のため、混泳にも適しています。
【ラビリンス器官とは】
ブルーグラミーにはラビリンス器官という器官があります。
その為、とても不思議で、とても便利な能力を持っています。
ラビリンス器官とは何でしょうか?
アナバスやベタなどのキノボリウオ亜目の魚にはエラブタの中に補助呼吸器官として上鰓(じょうさい)器官という器官を持ちます。
その上鰓(じょうさい)器官が複雑な構造をしていることから、ラビリンス器官と呼ばれています。
ラビリンス器官のおかげで口を水上に出して直接酸素を取り込むことができます。
アナバスやベタの仲間が生息している東南アジアの止水域と呼ばれる水域は、水の流れが極端に遅く水温が高いため水中の酸素が非常に少く、こうした場所で生き抜くために、補助呼吸器官としてラビリンス器官が発達し、空気呼吸できるようになりました。
熱帯魚屋さんやホームセンターなどで、ベタが本当に小さな水槽や瓶などで売られているのを見たことがあると思いますが、ベタはこのラビリンス器官のおかげで空気呼吸ができる為です。
ブルーグラミーの基礎知識
【学名】
Trichogaster trichopterus
【種目】
スズキ目・キノボリウオ亜目・オスフロネムス科
【分布】
改良品種/原種は東南アジア
【サイズ】
12cm〜15cm
【寿命】
2年〜3年
飼育環境により前後します。
飼育条件
[温度]
25度~28度
[水質]
弱酸性〜中性
[ 餌 ]
人工餌、冷凍赤虫
[注意点]
ブルーグラミーの原種であるスリースポットグラミーはもともと止水域と呼ばれる、ほとんど流れの止まった水草の生い茂った小川や湖などに生息しています。
ブルーグラミーも水槽内には水草を多く使用したレイアウトにして、あまり水流を作らないようにして、流木などで隠れる場所を作ってあげましょう。
混泳
ブルーグラミーの性格は温厚なので、他の熱帯魚との混泳は難しくありません。
複数匹での飼育で繁殖を楽しむこともできるでしょう。
ただし繁殖期になるとオスは攻撃的になるため、水草や流木でメスの隠れる場所を作ってあげましょう。
ネオンテトラやラミーノーズテトラなどの小型の熱帯魚がオススメです。
繁殖
ブルーグラミーの繁殖は比較的容易です。
ブルーグラミーの仲間は、オスが[泡巣]と呼ばれる泡でできた産卵場所を作り、その中にメスが産卵をするという変わった繁殖方法をとります。
水槽の水面が泡だらけになるので、水が汚れてしまったと勘違いしてしまうかもしれませんが、ブルーグラミーの習性ですので焦る必要はありません。
アマゾンフロッグピットなどの浮き草を用意してあげると泡巣を作りやすいようですのでおすすめです。
こうなると、繁殖の準備が出来たということなのでペアリングしてあげると繁殖行動へ移るでしょう。
孵化
泡巣に産み付けられた卵は2〜3日で孵化し、稚魚はしばらくの間は泡巣にぶら下がっています。
生まれたての稚魚はかなり小さいため、インフゾリアなどを与え、ある程度大きくなった時に孵化したブラインシュリンプを与えましょう。