コロンビアレッドフィンテトラは青く輝く体色と各ヒレに朱色の色彩がのった綺麗な熱帯魚です。
体色の青色は背中側の丘陵に沿って濃く現れ、下方へとグラデーションのように薄くなっています。
コロンビアレッドフィンテトラは決して派手な体色ではありませんが、この朱色と青色のコントラストが佐賀の焼きもの、古伊万里の色使いのようで人々を惹きつけるのではないでしょうか。
伊万里焼は現在の佐賀県、長崎県あたりで作られていた磁器のことをいい、その中で特に古い時代に作られたものを古伊万里と呼びます。
磁器を伊万里港から輸送していた影響で輸出先の人たちが[有田焼、三川内焼、波佐見焼]などを総称して伊万里焼と呼ぶようになりました。
17世紀の終わりごろに東インド会社が有田焼を買い付けるために何度も日本にやってくる程、海外の王侯貴族の間で絶大な人気を博したように、コロンビアレッドフィンテトラもこの古い時代の芸術作品のように他の熱帯魚では真似できない魅力があります。
【テトラとは】
カラシン目カラシン科の小型の熱帯魚のことです。
多くの種類が南米出身で、サイズは数センチほどの小さい熱帯魚です。
【カラシンとは】
コロンビアレッドフィンテトラはカラシンという種類の熱帯魚です。
カラシンの特徴は背びれと尾びれの間に[アブラビレ]という小さなヒレがある事と、あごに歯が発達していることです。
カラシンの種類は多く、約1600~1700種類ほど存在し、主にアフリカと中南米に生息しています。
これはグループとしてはかなり多い方の部類で、ネオンテトラなどの小さな熱帯魚から、ピラニア、ゴライアスタイガーフィッシュなどの大型の熱帯魚までが入ります。
【学名】
Hyphessobrycon colombianus
【種目】
カラシン目、カラシン科、ハイフェソブリコン属
【分布】
コロンビア
【サイズ】
7cm
【寿命】
3年〜5年
飼育条件
[温度]
24〜28度
[水質]
●●●●●●●テトラは南米出身なので弱酸性〜中性の水質を好みます。
[ 餌 ]人口餌
[注意点]
コロンビアレッドフィンテトラは大変丈夫な熱帯魚です。
水質や水温の適応範囲が広いので初心者にも飼育しやすい種類でしょう。
餌は人工餌で大丈夫ですが、なんでもよく食べますのでコロンビアレッドフィンテトラの為にも生き餌や冷凍赤ミミズなどバランスよく食べさせてあげましょう。
現地では群泳している熱帯魚なので単独飼育をするとストレスで調子が悪くなります。出来るだけ複数飼育で群泳させてあげましょう。
混泳
コロンビアレッドフィンテトラは少しだけ縄張り意識がありますが、神経質になる程ではありません。コロンビアレッドフィンテトラと同じようなサイズの熱帯魚となら混泳も問題ありません。
ただし、コロンビアレッドフィンテトラに攻撃をするような熱帯魚や、大型の肉食魚などは食べられてしまうので混泳はできません。
コロンビアレッドフィンテトラは臆病な熱帯魚なので10匹、50匹、100匹と水槽のサイズに合わせて沢山群泳させてあげましょう。
また、水質のことを考えるとアフリカ原産の熱帯魚はアルカリ性の水質を好む傾向にあるため混泳はできません。
具体的な混泳相手としては、同じような種類のネオンテトラ、カージナルテトラ、ラミーノーズテトラ等のカラシン。
水槽の底で生活する、オトシンクルス、コリドラス・ローチ、ヤマトヌマエビ、ミナミヌマエビ、レッドラムズホーン等。
繁殖
コロンビアレッドフィンテトラはばらまき型と呼ばれる産卵形式をとる熱帯魚ですので、ばらまき型の産卵準備を行いましょう。
ばらまき型の熱帯魚は、知らないうちに産卵し、知らないうちに稚魚が生まれ、知らないうちに成魚に食べられている事がよくあります。
なので、ばらまき型の熱帯魚の繁殖は産卵の事より食卵を意識した準備が重要になってきます。
若い健康な成魚を用意する
メスのお腹は卵があるので膨らんで見えます。
繁殖は雌1匹に対して雄を2匹~3匹程度の割合でペアリングすると確率が上がります。
【産卵用の水槽を準備します】
ピートモスなどで、pH5.5前後の弱酸性水を用意して、水温は26度にします。
そして部屋のカーテンを閉めたり照明を暗くするなどして薄暗い環境を用意しましょう。
ブラックウォーターには抗菌・殺菌効果があり、故郷の南米の川に水質の環境が似ているので、ピートモスやマジックリーフなどを用いてブラックウォーターの環境を作るもの効果的です。
水槽の底に産卵床としてウィローモスやシュロなどを敷き詰めましょう。
食卵対策として園芸用の鉢底ネットなどで水槽の上下を分けるのも手です。
そうすると上の部屋でコロンビアレッドフィンテトラをペアリングして、卵を産むと、ネットを通り卵だけ下におちます。
【稚魚の世話】
卵が確認できましたら親魚は元の水槽に戻します。
コロンビアレッドフィンテトラの稚魚が生まれたら、最初は小さすぎて普通の餌は食べられません。
インフゾリアを与えるか卵黄を溶かしてあげましょう。少し大きくなる生後1週間くらいでブラインシュリンプ、すりつぶした人口餌など、そこから大きさに応じて通常の餌と段階を上げてえさエサをしていきましょう。