人間関係って難しいですよね。
あなたは職場の上司や部下、同僚に苦手な人はいますか?
もしくは取引先の担当者がいつも不機嫌だったり、伝えたい事が伝わらなかったり、そんな経験はありませんか?
人間関係で悩むのは学生の頃も大人になっても同じです。
このように会社での不満や悩み、ストレスの多くは人間関係からくるものです。
それはそうですよね。職場みんなが仲良しで、休みの日にはみんなでBBQ!片思いの人なんかいたりしたら、多少給料が低くてもあまり気ならなかったりしますよね。
気が合う人、合わない人、好きな人、嫌いな人、いろいろな人がいるから仕方がない!嫌な人には絶えるしかないんだ!って仙人モードで諦めるのは早すぎます。
人生の殆どの時間は会社や職場、学校で過ごすので、少しでもストレスレスな職場環境を目指しましょう。
私も昔は大手企業で働いていましたので、人間関係の難しさはわかります。
人が多ければ多いほど本当にいろいろな人がいますよね。
中にはどんな育ち方したんだ!って疑うほど嫌味な人、我の強い人や、やる気のない人など十人十色でした。
現在は田舎暮らしをしながらデザイナーとして働いていますので人間関係の悩みは薄れていますが、都会から隠居したアラフォーおじさんから、人間関係で悩んでいる方へ[コーチング]という考え方からの改善方法をお話ししたいと思います。
コーチングとは
コーチングとは、企業の経営者やマネージャークラスの研修などに使われるプログラムの事です。
元々はテニスのコーチに対してプレーヤーとの接し方などを研究したもののようです。
しかしコーチングを全て網羅しようとすると情報量が多くて大変なので、今回は人間関係に役立ちそうな部分を一部切り取って[人間の思考回路を4タイプにわけて対処しましょう]という考え方をご説明します。
4つのタイプ
この考え方の基本は、まず人間を4つのタイプに分けます。
それが[コントローラー]、[アナライザー]、[プロモーター]、[サポーター]の4タイプです。
[コントローラー]の特徴は実行力でチームをリードします。
[アナライザー]は冷静沈着、現状分析が得意です。
[プロモーター]の特徴は夢を語って盛り上げる事。
[サポーター]は合意と強調が何より大事なバランサー
4つのタイプの関係を図で表すとこんな感じ
最初に言っておきますが、この4つのタイプに上下関係や優劣はありません。
また、どれか一つに当てはまるだけではなく、[○○タイプが7割]、[●●タイプが3割]のようになったりもします。
このタイプ分けを知ればそれに対しての接し方や話し方も対応できます。
注意点としては人はそんなに簡単に分けられるような単純なものではありませんので、このタイプ分けの考え方を強く決めつけすぎるのは危険です。
参考程度に考えてくださいね。
それでは4つのタイプそれぞれの詳細を説明していきたいと思います。
コントローラー
特徴
・起業家スピリッツやリーダーシップに優れている
・保身的な態度を嫌い正直であけっぴろげな性格
・決断力がありペースが速い
・自分をコントロールする人には反発
・優しい感情を表すことは苦手で他者から怖がられる
・人の話を聞かず結論を急ぐ
・人をなかなか信頼しない
年齢や性別に関係なく、コントローラータイプの人は他人から指図されるのを一番嫌うタイプです。
全て自分がコントロールしたいと思っており、出来るだけ人から干渉されない環境を作り出します。
その為、このタイプがリーダーになるとトップダウン型になるでしょう。
その他の特徴は、行動的、野心的、エネルギッシュ、自分の思い通りに物事を行うのを好む、決断力がある、支配的、威圧的、人間関係より仕事優先、正義感が強い、ペースが速い、自分の内面に目を向けるのが苦手、人の気持ちに鈍感などです。
また、自分の内面に他人同様の弱さを見ないようにするために相手を責める傾向があります。
コントローラーは指図されるのを嫌うので自分で起業してしまう人にはこのタイプが多くいるそうです。
コントローラーの上司への接し方
コントローラーの上司には[結論から]、[単刀直入に]、[スピード感を持って]伝えましょう。
また、コントローラーは提案という名の指示、誘導を嫌いますので提案は複数の選択肢を用意して選択させてあげましょう。
選択肢がなければコントロールされていると感じます。
NGな接し方
・前置きしてじっくり話す
・質問に答えさせられる
・大袈裟に褒められる
・回りくどい表現
コントローラーの部下への接し方
コントローラーの部下へはとにかく任せて結果を待ちましょう。
[キーワード]
「頼んだぞ」「任せたぞ」
アナライザー
特徴
・計画や分析を好む
・客観的、論理的な話し方をする
・粘り強い
・大人数は苦手、孤立しても気にならない
・行動は慎重で決断に時間がかかる
・感情表現が苦手
・変化や混乱に弱い
アナライザーは客観的視点で問題解決を行う完全主義者です。
分析することが好きで、物事を客観的に捉えることが得意な問題解決と分析のエキスパートです。
行動を起こす前に情報収集し、分析、計画してから行動を起こします。
「ちょっと一回やってみてから様子を見よう!」みたいな感じでの行動は絶対にしません。
常に慎重、完璧を目指すのでミスを以上に嫌います。
この傾向は話し方にも現れます。
思いついた事をつらつら〜!と話すようなことはせずによく考えながらじっくりと言葉を選んで話します。
初対面の人に自分の事を話すような事もせずに、十分に仲良くなってからプライベートの話をします。
その他の特徴は、行動は慎重、物事に取り組む前にデータ収集、プランニングが好き、冷静、失敗を嫌う、規則を好む、粘り強い、変化や混乱に弱い、堅実で優れた仕事運び、明確で論理的な話し方、頑固と言われる、人間関係は慎重、傍観者になりがち、他人への批判を好まないなどです。
アナライザーの上司への接し方
アナライザーの上司には正確で客観的な情報を提示しましょう。
アナライザーが動く時は「正しい事を行っているのだ」という実感ですので情報提供は正確かつ詳細でないといけません。
また、計画の変更はアナライザーの最も嫌う事ですので、そういった際はよっぽど説得力を持たせないと難しいです。
NGな接し方
・漠然とした質問
・ノリだけでの行動
・計画変更
・大袈裟におだてられる
・急がされる
アナライザーの部下への接し方
丸投げはダメです。
専門的役割を与える
[キーワード]
「○○の資料の○○なところ、○○の点で非常に良かったよ」「○○を見たよ。○○○のスキルが上達しているね」など専門性を評価する
プロモーター
特徴
・アイデアが豊富で創造力がある
・変化や混乱に強く順応性が高い
・仕切るのが好きで得意
・人を承認するのが得意で、承認されるのも好む
・人のモチベーションを上げる
・飽きっぽい
・よく話し、あまり聞かない
プロモータータイプは注目こそがやる気の源、エネルギッシュなムードメーカー。
このタイプの人は注目される事をとにかく好みます。
話の中心になる、褒められる、しきり役を任されるなど周りから関心の目が向いている状態を好みます。
失敗談も何のその!自慢話をいつもべらべら話しているような人がいればその人はプロモータータイプです。
そんな人は往々にして自慢話やお喋りも嫌な感じがしない憎めないタイプでしょう。
プロモータータイプのその他の特徴は、人と活気ある事をするのが好き、とにかく楽しい事が好き、細かい事は気にしない、計画を立てるのが苦手、計画通りに進めるのが苦手、変化や混乱に強い、順応性が高い、新しい仕事を始めるのが得意、終わった仕事の定期点検は苦手、一緒にいて楽しい、自惚れ屋・お調子者と言われる、話の展開が早く理解しづらい、社交的、感情表現が豊かなどです。
プロモーターの上司への接し方
プロモーターの上司には大袈裟におだてる。
細かい事は気にせず夢とビジョンを語る、現状の批判ではなく、夢を実現する改善案
「それでそれで」「もっと聞かせてください」など
NGな接し方
・細かい事を事細かに聞かれる
・否定される
・自分以外の他人が目立つ
・理詰で迫られる
プロモーターの部下への接し方
夢とビジョンを示して動かす。途中で褒めながら任せる
[キーワード]
「君なら必ず出来る」「すごいね!さすがだ!最高だ!」
サポーター
特徴
・人を援助する事を好む
・人の心を読むのが得意
・決断に時間がかかる
・リスクを冒すのは苦手
・計画や目標設定には関心がない
・無意識に相手からの感謝や愛情を求めている
・常に関心を持たれたい
サポータータイプはビジネスよりも[人]優先、[和]を重んじる気配り上手です。
あなたの周りに気持ち良く話を聞いてくれる、いわゆる[いい人]はいませんか?その人はサポータータイプかも知れません。
このタイプにとって一番大事なのは人間関係です。
ギスギスした人間関係を最も嫌い、とにかく避けようとします。
周囲の感情に敏感で、人の視点に立って考えるようにする気配り上手、とにかく[和]を構築するように行動するのが特徴です。
人を助ける事を好み、相手の気持ちを優先する反面、自分の感情は抑え込みます。
そして人の感情に敏感なので、自分も人から認めてもらいたいと思います。
サポータータイプのその他の特徴は、暖かく穏やか、協調性が高い、直感力がある、感情に基づいて判断する、ビジネスより人、他者の気持ちに敏感、親密な人間関係、人からの期待に応えようとする、気配りがある、対立を避ける、人とのつながりを大事にする、NOと言えない、無意識に相手からの感謝や愛情を求めているなどです。
サポーターの上司への接し方
サポーターの上司には気遣いと協力の姿勢を
自分が判断するというよりは相手との合意を大切にします。
複数の選択肢から選んでもらうのではなく自分の意見を言っても大丈夫です。
サポーターはみんなの合意をとりながら協力して一緒に進んでゴールに向かいましょうというスタンスをとります。
NGな接し方
・ノーと言わないのをいい事に色々と要望される
・決断を迫られる
・仕事を丸投げされる
・気遣いをされない
サポーターの部下への接し方
サポーターの部下へは声をかけて話を聞く事です。
コントローラーやプロモーターのように仕事を丸投げしてはいけません。
物事を合意をとりながら進めていきたいタイプですので、丸投げされると自分に興味がないと判断します。
途中経過も想いも含めて話を聞きましょう。
[キーワード]
「いつも助かるよ」「君が貢献してくれて嬉しいよ」
4タイプそれぞれの見分け方
それぞれ4つのタイプの特徴はわかってもらえたでしょうか?
しかし4つのタイプを理解したとしても相手のタイプを知らないと対応できませんよね。
本当は、タイプを知るためのテストがあるのですが今回はタイプの予想の仕方、タイプ別の傾向をお教えします。
【予想外の質問に答えなければいけない状況】、【初対面の人といろいろな話をする状況】、【新しいテーマについて数人でディスカッション】などの状況時にどのような行動パターンをするかで予想できます。
[コントローラー]
防衛反応をします。
・表情が硬くなる
・腕を組む、足を組む
・短い答えで即答しようとする
[アナライザー]
極力正確であろうとする性格から反応速度は著しく遅くなります。
・間違えないように一語一語吟味しながら話す。
・淡々とフラットな口調
・直立不動で話す
・客観的な事実を話す
[プロモーター]
話の正確性は二の次、整理せずにとにかく話まくって相手の反応を掴み取ろうとします。
・身振り手振りを交えて話す
・抑揚ある口調
・擬音語、擬態語を交える
・客観的ではなく、感情表現でホットに話す
[サポーター]
聞き手に回ります。
・頷いたり、相槌を打ちながら話を聞く
・温かい目つき
・微笑を浮かべる
・小さな声でゆっくり話す
・誰も非難しないように気を配りくどくど話す
・内容よりその場の雰囲気に気を配る
タイプ別のアプローチ
タイプ別/取引先への挨拶

タイプ別による話のポイントがあります。
相手がコントローラーならすぐに要件
社交辞令に苛つき始めたらその人はコントローラーです。
コントローラーに余計な話をすると「何のために来たんですか」と言われかねません。
単刀直入に仕事の話だけを結論からするようにしましょう。
相手がアナライザーなら今回の予定
社交辞令に対して「そうおっしゃってくれる人が多いですね」とか「○○だからでしょうね」のように客観的な視点からの返答が返ってくるとその人はアナライザーです。
アナライザーに対しては、「まず最初にこんな話をします。その後●●について話します。」のように今回の商談で話す内容をスケジュールとして話しましょう。
相手がプロモーターならお世辞
会社や景色ではなくその人に対して社交辞令をした際に、身振り手振りを加えてたくさん話しをしてくれたらその人はプロモーターです。
プロモーターにはその人本人への社交辞令を交えましょう。
相手がサポーターならポジショニング
相手が[サポーター]ならポジショニングという営業スキルが役立ちます。
お天気や季節の話や、窓からの景色についての話が一番機能するのが[サポーター]です、[サポーター]はまず話のキャッチボールをしてから本題に入る事を好むからです。
タイプ別/プレゼンテーション
タイプによってプレゼンテーションの仕方も変わってきます。
相手がコントローラーなら単刀直入に結論から
コントローラータイプにはまず一番最初に結論を話してから、なぜならば〜、のような順序で話しましょう。
それがコントローラーの心を掴むコツです。
相手がアナライザーなら現状分析、今後への提案
アナライザーにコントローラーのようなアプローチをすると嫌われます。
アナライザーは話に順序や流れを求めますので、唐突すぎる印象を与えます。
相手がプロモーターならサプライズ
プロモーターは非常に飽きっぽいので、数字やロジックで説明するのは向きません。
ワクワクするような表現や、画像の多い提案書でプレゼンしましょう。
相手がサポーターなら社内合意がとれるものであると説明
サポーターが考えるの事の一つは「社内の人間の役に立つだろうか」「みんなは気にいるだろうか」など、周囲のコンセンサスをとることが出来るかを考えています。
なので「これはHPで御社の社長がおっしゃっている事と合致します」とか「他社の事例では皆さん喜んでいた」などの言い回しが使えます。
まとめ
[コーチング]でのコミュニケーション!はいかがでしたか?
このコーチングの4タイプは、チームや会社ではタイプが偏ればアンバランスになり、全てのタイプが揃っていた方が上手くいくそうです。
あなたが今までの常識で接していた人間関係の景色がすっきりとしたのではないでしょうか。
あなたの話が伝わらないのは相手が悪いのでも自分が悪いのでもなく自分とタイプが違うことによって生じるズレなのかも知れません。
今回は職場での人間関係改善といった目線で[コーチング]をご説明しましたが、職場以外でも、友人関係や恋人関係、夫婦関係などにも応用できますので是非[コーチング]を参考にしてみてください。
今回の内容は全部こちらの本にもっと細かく載っています。
タイプ分けのテストなども載っていますのでおすすめです。