秋になると稲を刈り取った後の田んぼやススキの上に飛び回るトンボ。
あの光景を見ると夏が終わったなぁとしみじみと感じますよね。
今回はその哀愁漂わせるメランコリックな虫、トンボの事を少し紹介して行きたいと思います。
トンボは英語ではドラゴンフライ(dragonfly)と呼ばれる細長く薄い羽と細長いお腹、大きな目を持つ虫です。
この華奢で綺麗な見た目からは想像できませんが、肉食で飛翔能力に優れていて実は虫界最強のハンターなのです。
また、トンボは昔から日本の文化にも馴染みがあり、勝ち虫と呼ばれ、前にしか進まないところから武士の縁起物として鎧兜などの装飾として用いられてきたりもしています。
トンボはトンボ目という仲間で世界中に約5,500種類程いるとされており日本には約180種類いるとされています。
今回はトンボの種類を紹介していきます。
トンボはどんな種類がいるの?
トンボの種類はその姿形から大きく3つに分けられるそうです。
【1】イトトンボ亜目 [均翅亜目]
4枚の羽が同じ形、お腹が細い、ほとんどが羽をたたんで止まり、4枚のはねが重なります。
【2】トンボ亜目 [不均翅亜目]
前と後ろの羽の形が違う、お腹が太い、ほとんどが羽を広げて止まる
【3】ムカシトンボ亜目 [均翅不均翅亜目]
4枚の羽が同じ形でお腹が太いので、【1】と【2】の中間的な種類です。世界に日本とヒマラヤに2種しか存在しません。
代表的なイトトンボ亜目
アオモンイトトンボ
アオモンイトトンボはオスが腹部の8節と9節が爽やかな青色をしているトンボです。
名前の由来もその腹部の青色から来ています。
アオモンイトトンボに出会う為には、池や沼、流れの遅い水辺などに生息していますので、そういった場所を探すと出会えるかもしれません。
ハグロトンボ
ハグロトンボは体長は50mm〜70mmほどの真っ黒な羽が特徴のトンボです。
活動期間は5月~10月頃で、草木の生い茂る緩やかな流れの川などの水辺に生息しています。
トンボには珍しく蝶々のようにひらひらと羽ばたいて飛びます。
代表的なトンボ亜目
写真左/オニヤンマ
オニヤンマは日本で一番大きなトンボです。
体長は90mm~110mmくらいになりオスよりもメスの方が大きくなります。
オニヤンマに出会う為には森の中の水辺や草木の生い茂る湿地などを探しましょう。
幼虫は流れのない川や田んぼ、水路にいて、水底の泥の中に潜んでいます。
活動期間は6月~9月頃です。
写真右/ギンヤンマ
ギンヤンマは体長が70mm~80mmの最速の飛翔能力を持つトンボ界のウサインボルトです。
ギンヤンマを見つける為には流れのない水辺や田んぼ、ほとんど流れのない小川などを飛んでいます。
日本中に生息し、活動期間は4月~11月頃です。
写真左/アキアカネ
アキアカネは赤とんぼと呼ばれる体長30mm~45mmほどの真っ赤なトンボです。
アキアカネに出会う為には自然の残る場所の池や水田などの水辺周辺を探しましょう。
生息エリアは北海道から本州・四国・九州で活動期間は初夏から秋頃です。
写真右/オオシオカラトンボ
オオシオカラトンボは、全身が少しくすんだ水色の体長をしており羽根の先端と根元が黒ずんでいます。
マイケルジョーダンの出身のノースカロライナ大学のユニフォームのような落ち着いた水色です。
オオシオカラトンボに出会う為には草木の生い茂る湿地や田んぼ、ため池などに生息していますのでそういった場所を探しましょう。
体長は50mm~55mmほどで、活動期間は5月から9月頃です。
ムカシトンボ亜目
ムカシトンボ
ムカシトンボは世界に日本とヒマラヤに2種しか存在しないトンボの一つで、日本の固有種です。
生きた化石とも呼ばれるほど貴重な存在です。
体長は5cm前後で4月から6月頃に活動しています。
ムカシトンボに出会う為には山間部の水のきれいな渓流域に生息し、飛び回っているのでそういった場所を探しましょう。
メガネウラ
メガネウラは約2億9,000万年前の森に生息していた原始的なトンボです。
なんと全長が75cm前後もある最大級のトンボです。
みんな大好きヘラクレスオオカブトの最大が18cmくらいだそうなのでとてつもない大きさのトンボですね。
残念ながら、現在ではメガネウラに出会うことはできません。
最後に
トンボの種類を簡単に説明してみましたが、いかがでしたでしょうか?
トンボの種類は日本だけで180種類ほどいるので、また後ほど少しずつ紹介していければと思います。
ちなみにトンボ鉛筆で有名な株式会社トンボ鉛筆の英語表記は[Tombo]ではなく最後に[w]をつけて[Tombow]のようです。これは墓を意味する英単語が[TOMB]で、それと間違われないようにしたそうです。