丹頂の飼い方/金魚・飼育・えさ・病気・種類

丹頂は真っ白な体に真っ赤なベレー帽を被ったように頭にだけ発達する朱色の肉瘤が特徴のおめでたい色彩の金魚です。

体型は琉金型で羽衣のような長いヒレを揺らめかせ、ゆっくりと泳ぐ姿はとっても優雅ですね。

少し話はそれますが、現在の島根県にあたる出雲地方に[南京]という金魚がいます。
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島根県の天然記念物に指定されている地金魚で[出雲南京]とも呼ばれる金魚なんですが、この[南京]、金魚の世界では珍しく白勝ち更紗(紅白模様で白が多い事)が好まれます。

                                風待人さんによる写真ACからの写真
風待人さんによる写真ACからの写真

この土地を訪れて[南京]の白い鱗に魅せられ、白勝ち更紗や白い鱗が好きになると人もいるといわれます。

私はこのような感覚、白勝ち更紗インパクト丹頂からくらいました。

丹頂は頭頂の赤い肉瘤に目が行きがちですが、実は大きくて真っ白な鱗がずーっと見ていられる程綺麗で、まるで錦鯉のようにカッコいいんです。

                                つばきさんによる写真ACからの写真
つばきさんによる写真ACからの写真

丹頂の名前はお察しのように丹頂鶴から来ています。[丹]は赤という意味、[頂]は一番高い所という意味です。鶴に例えるなんて、おしゃれな名前ですね。

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英名はレッドキャップ・オランダと呼ばれるようで、赤い帽子のオランダ獅子頭という意味でしょうか?

赤いベレー帽といえばロシアではエリートの証、赤色のベレー帽の着用を許可された兵士達の事を尊敬の念を込めて[レッドベレー]と呼ぶようです。

そう言われれば丹頂もどことなくエリートっぽい風格を漂わせた品のある金魚ですね。

丹頂の系統

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丹頂のルーツは中国で、中国で作出された個体が日本に入って来たようです。

勝手な予想ではオランダ獅子頭がルーツな感じがしています。

【金魚の家系図はこちら】

金魚の話

                                ねほえさんによる写真ACからの写真
ねほえさんによる写真ACからの写真

金魚の原産地は中国で、フナの突然変異種であるヒブナを観賞用に交配を重ねた観賞魚です。

その綺麗な姿と豊富な種類、丈夫で飼育が容易である事などから世界中で親しまれています。

金魚の歴史は長く、品種改良が進みその品種は多岐にわたります。

フナの体型に近い[和金]、丸い体に綺麗な長いひれを持つ[琉金]、目が飛び出した[出目金]、琉金の頭に瘤がある[オランダ獅子頭]、赤白黒の[東錦]、背びれがなく頭部に瘤をもつ[らんちゅう]などが様々な品種がつくられました。

【金魚の尻尾の名称】

三つ尾・・・・・・・尻尾が二つに分かれていてヒレの上部はくっついている。

四つ尾・・・・・・・尻尾が二つに分かれていてヒレの上部は離れている。

サクラ尾・・・・・三つ尾と四つ尾の間で、ヒレの上部が少しだけ離れている。

【上見(うわみ)と横見(よこみ)】
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上見と横見とは金魚の鑑賞方法です。

読んで字のごとく、魚の姿を上から鑑賞することを上見(うわみ)といいます。

それに対して魚の姿を横から鑑賞することを横見(よこみ)といいます。

らんちゅうなど尾びれが広がる金魚は上見(うわみ)が好まれますが、すらっとした体型のブリストル朱文金などは横見(よこみ)で横から鑑賞します。

【学名】
Carassius auratus var.

【種目】
コイ目コイ科コイ亜科フナ属

【分布】
改良品種

【サイズ】
30cm

【寿命】
10~15年

飼育条件

[温度]

20~28度

[水質]中性~弱アルカリ性
【水質について_詳しくはこちら】

[ 餌 ] 金魚用人口餌

[注意点]
丹頂の飼育は比較的簡単ですが餌を与え過ぎると転覆病になります。

底砂は大きめの砂利、もしくは何も敷かないベアタンクにしましょう。

また金魚は草食性の強い魚なので柔らかい水草は食べられてしまいます。

丹頂の餌には金魚専用の人工餌や、冷凍赤虫をバランスよく与えてください。

餌の量を少なめにして水質の管理をしっかりとできていれば15年以上生きるそうです。

【転覆病についてはこちら】

【カラムナリス病(尾ぐされ病)についてはこちら】

【魚の病気についてはこちら】

【熱帯魚飼育の始め方についてはこちら→[アクア入門]】

混泳

同サイズの金魚であれば大丈夫です。

[オランダ獅子頭][東錦]などの金魚がおすすめです。

繁殖

                                KOU2301さんによる写真ACからの写真
KOU2301さんによる写真ACからの写真

金魚の産卵・繁殖の適齢期はオスが2歳~4歳、メスが3~5歳のようです。

産卵の時期は冬季の冬眠から目覚めて少し経ったの4月〜5月初旬頃です。

丹頂の産卵には水草や専用の産卵ネットを用いると良いでしょう。

アナカリスなどの水草やシュロをいれておけば、金魚が卵を産み付けてくれます。

産卵後はエアーレーションをしっかりして水中に酸素を充分行き渡らせましょう。

丹頂の孵化した稚魚にはブラインシュリンプを与える、もしくはグリーンウォーターで育てましょう。

【グリーンウォーターで金魚の稚魚を育てる】

グリーンウォーターのコピー
水中で植物性プランクトンが発生し緑色になった水をグリーンウォーターと呼びます。

このグリーンウォーターはメダカや金魚の飼育に大変適しています。

まだ小さすぎて人口餌を食べることのできない稚魚などはグリーンウォーター内の植物性プランクトンを食べて大きくなります。

グリーンウォーターの作り方は、容器に入れた水を日光の当たる場所に置いておくと植物性プランクトンがわき、緑色のグリーンウォーターになります。