夏が終わり、残暑も終わり気温も下がり気持ちのいい秋になりましたね。
いきなりですが、子供ってドングリが大好きですよね。
ドングリを拾いに行くと大はしゃぎ!まるで宝物をくれるかのようにキラキラした目でお土産として渡してくれます。
でもその宝物を大切に瓶に入れておくと、しばらくすると「ドングリから小さな白い幼虫が!」ってことありませんか?
大量の幼虫が子供の宝物の中から出てくるのでパニックになってしまいますよね。
あれって何の虫なんでしょうか?
みなさん、あの白い幼虫を「ぎゃーっ!」って言って害虫扱いしてませんか?
実際ネット上ではこの幼虫に遭遇しない為の煮沸消毒のやり方とかがたくさん上がってます。
しかしその煮沸消毒ちょっと待ってください。
煮沸消毒をやめて、子供達の可愛い研究対象にしてみませんか?
実はあの虫の正体は[シギゾウムシの仲間]と[ハイイロチョッキリ]という虫で、成虫になるとちょっと可愛い虫なんです。
今回は秋の怪現象、ドングリの穴の虫、[シギゾウムシ]と[チョッキリ]について紹介していきます。
[シギゾウムシの仲間]と[ハイイロチョッキリ]ってどんな虫
ドングリから出てくる虫の種類
ドングリから出てくる幼虫の正体は[シギゾウムシの仲間]と[ハイイロチョッキリ]と言います。
シギゾウムシは、出てくるドングリによって種類が違ってくるので[シギゾウムシの仲間]と呼びました。
クヌギのドングリから出てくるシギゾウムシは[クヌギシギゾウムシ]、コナラのドングリから出てくるシギゾウムシは[コナラシギゾウムシ]といいます。
本当は他にもいっぱいいるみたいですが今回のシギゾウムシはこの2種類の紹介します。
また、[ハイイロチョッキリ]はドングリに卵を産み付けた後にそのドングリの枝を切りおとすのチョッキリという名前がついています。
単純ですが可愛い名前ですねー。
なので、[ハイイロチョッキリ]の幼虫が住んでいるドングリは自然に落ちたドングリではないので枝がついています。
[クヌギシギゾウムシ]、[コナラシギゾウムシ]、[ハイイロチョッキリ]はとてもよく似ていてそっくりですが、見分け方があります。
それは触覚です。
触覚が第一節より第二節が長いのが[クヌギシギゾウムシ]、第一節と第二節が同じくらいなのが[コナラシギゾウムシ]、直角に曲がっていないのが[ハイイロチョッキリ]です。
どうやってドングリの中に入るの?
綺麗なドングリを拾ってきたはずなのに突然幼虫が出てきて、よくドングリを観てみると綺麗な小さい穴が開いてます。
こんな穴は無かったはずなのに!なぜ?
実は[クヌギシギゾウムシ]、[コナラシギゾウムシ]、[ハイイロチョッキリ]達のお母さんはまだ早熟の段階の緑色のドングリに穴を開けて卵を産み付けているのです。
なのでドングリが成長して穴が大きくなると塞がれます。
だから穴が無く、綺麗なドングリだと思っていたのに急に幼虫が出てくるんですね。
どの虫もサイズは10mm前後の小さな虫で、チョウチョみたいな顔にカブトムシみたいな体の可愛い虫たちです。
ドングリ虫達の活動期間
クヌギシギゾウムシ:8月〜10月
コナラシギゾウムシ:5月〜10月
ハイイロチョッキリ:6月〜10月
[シギゾウムシの仲間]と[ハイイロチョッキリ]を飼育してみましょう
公園でドングリ集め
それでは子供達と一緒に近所の公園でドングリを拾いにいきましょう。
ドングリ拾いは子供達は大得意ですね。
目的があるといつもの公園が宝探しの宝島に様変わり!
ラフテルを目指すグランドラインになります。
ワンピースは存在します。
拾ってきたドングリを飼育ケースへ
飼育ケースに虫用の飼育マットを入れてその上に拾ってきたドングリをおきましょう。
飼育ケースは空き瓶とかでも大丈夫ですが、せっかくなので子供達が観察しやすいように清潔な飼育ケースに入れてじっくりと観察してみたいと思います。
コバエシャッターはクワガタの飼育などに使用する優れものでコバエなどの嫌な虫が寄ってこない清潔仕様。
そして何より保湿効果があるのでぴったりです。
この飼育ケースを室温の影響を受けにくい外気温に近い場所[玄関]や[ベランダの物置の中]などに置いておきましょう。
上手くいけば初春の頃に蛹になり、初夏に成虫として出てくるでしょう。
成虫の餌は葉っぱです。
シギゾウムシ達の名前にあるクヌギやコナラの葉っぱが御馳走なので、ドングリを拾ってきた場所の木の葉っぱを餌として入れてあげると良いでしょう。
いかがでしたか?
[シギゾウムシの仲間]と[ハイイロチョッキリ]はドングリ遊びをしていて、急に出てくるのでびっくりして害虫扱いされがちです。
これからはドングリを煮沸消毒なんかしたりしないで、観察対象にしてみましょう。
[シギゾウムシの仲間]と[ハイイロチョッキリ]、よく知ってみると可愛くて愛嬌のある虫達でしたね。
【世界のゾウムシ達にも興味を持ってね】