桜錦はらんちゅう型の体型をした淡い更紗模様の金魚です。
らんちゅうとの違いは更紗の白色部分が透明鱗である事ですね。
この紅白の更紗模様がモザイク透明燐によって桜の花に見えることから桜錦という名前がついています。
キラキラ光る光沢燐はまさに満開の桜を見ているようで、とてもお上品な金魚です。
桜錦の発表は1996年と金魚としては歴史は浅いです。
実はこの桜錦、当初は江戸錦の黒の入らない出来の悪い金魚として扱われていたようです。
しかし江戸錦の特徴でもある透明鱗に磨きをかけ、大変綺麗な素晴らしい品種へとなりました。
苦労の甲斐があり、今ではとても品のある”はんなり”した金魚になりましたね。
桜錦の系統
【金魚の話】
金魚の原産地は中国で、フナの突然変異種であるヒブナを観賞用に交配を重ねた観賞魚です。
その綺麗な姿と豊富な種類、丈夫で飼育が容易である事などから世界中で親しまれています。
金魚の歴史は長く、品種改良が進みその品種は多岐にわたります。
フナの体型に近い[和金]、丸い体に綺麗な長いひれを持つ[琉金]、目が飛び出した[出目金]、琉金の頭に瘤がある[オランダ獅子頭]、赤白黒の[東錦]、背びれがなく頭部に瘤をもつ[らんちゅう]などが様々な品種がつくられました。
【金魚の尻尾の名称】
三つ尾・・・・・・・尻尾が二つに分かれていてヒレの上部はくっついている。
四つ尾・・・・・・・尻尾が二つに分かれていてヒレの上部は離れている。
サクラ尾・・・・・三つ尾と四つ尾の間で、ヒレの上部が少しだけ離れている。
【上見(うわみ)と横見(よこみ)】
上見と横見とは金魚の鑑賞方法です。
読んで字のごとく、魚の姿を上から鑑賞することを上見(うわみ)といいます。
それに対して魚の姿を横から鑑賞することを横見(よこみ)といいます。
らんちゅうなど尾びれが広がる金魚は上見(うわみ)が好まれますが、すらっとした体型のブリストル朱文金などは横見(よこみ)で横から鑑賞します。
桜錦はらんちゅうと同じで、上見での鑑賞をおすすめします。
【学名】
Carassius auratus var.
【種目】
コイ目コイ科コイ亜科フナ属
【分布】
改良品種
【サイズ】
20cm
【寿命】
10~15年
飼育条件
[温度]20~28度
[水質]中性~弱アルカリ性
【水質について_詳しくはこちら】
[ 餌 ] 金魚用人口餌
[注意点]
桜錦の飼育はらんちゅうと同じで比較的簡単ですが餌の与え過ぎると転覆病になります。
底砂は大きめの砂利、もしくは何も敷かないベアタンクにしましょう。
また金魚は草食性の強い魚なので柔らかい水草は食べられてしまいます。
桜錦の餌には金魚専用の人工餌や、冷凍赤虫をバランスよく与えてください。
餌の量を少なめにして水質の管理をしっかりとできていれば15年以上生きるそうです。
混泳
同サイズの金魚であれば大丈夫です。
桜錦は泳ぐのが苦手なので、同様に泳ぐのが苦手な[らんちゅう][東錦]などの金魚だと安心です。
繁殖
金魚の産卵・繁殖の適齢期はオスが2歳~4歳、メスが3~5歳のようです。
産卵の時期は冬季の冬眠から目覚めて少し経ったの4月〜5月初旬頃です。
桜錦の産卵には水草や専用の産卵ネットを用いると良いでしょう。
アナカリスなどの水草やシュロをいれておけば、金魚が卵を産み付けてくれます。
産卵後はエアーレーションをしっかりして水中に酸素を充分行き渡らせましょう。
桜錦の孵化した稚魚にはブラインシュリンプを与える、もしくはグリーンウォーターで育てましょう。
【グリーンウォーターでメダカの稚魚を育てる】
水中で植物性プランクトンが発生し緑色になった水をグリーンウォーターと呼びます。
このグリーンウォーターはメダカや金魚の飼育に大変適しています。
まだ小さすぎて人口餌を食べることのできない稚魚などはグリーンウォーター内の植物性プランクトンを食べて大きくなります。
グリーンウォーターの作り方は、容器に入れた水を日光の当たる場所に置いておくと植物性プランクトンがわき、緑色のグリーンウォーターになります。