ピグミーグラミーは褐色色をした体色にターコイズブルーのラメが入ったような美しい熱帯魚です。
成熟するとその青ラメが全身に現れヒレもターコイズブルーに色づきます。
その美しさはトルコ石の装飾品を纏うかのように綺麗になります。
トルコ石は古代エジプト文明やアステカ文明、ペルシア文明、メソポタミア文明、古代中国など、多くの大文明で価値のあるものとして扱われました。
トルコ石の価値の決め手に色の豊富さがありますが、一般的に最も好まれる色の決め手として[アメリカンロビン]と呼ばれる[コマツグミ]の卵の色が挙げられるます。
トルコ石そっくりですよね。卵が先かトルコ石が先かです。
これはロビンズエッグブルーと呼ばれ、ティファニーブルーもこの色が由来になっています。
こんなに綺麗な青色をしているのですから、ピグミーグラミーの青色もピグミーグラミーズブルーと呼ばれてどこかのブランドに採用されないかな。
ちなみに[ジャパニーズロビン]は[コマドリ]という鳥です。
オレンジ色とグレーが品があっておしゃれでシルエットも可愛くて今回の話とは全然関係ないのですが、只々可愛いので紹介しました。
そういえば、ピグミーグラミーは音を出して鳴きます。一般的には[ククク]と表現される事が多いですが、私的にはカスタネットを叩いたような[カカカッ♪]って聞こえます。似たようなもんですけど。
後、このピグミーグラミーの属している分類が[トリコプシス属]といって3種類しかいない珍しいグループみたいです。
[クローキンググラミー]、[スリーストライプ・クローキンググラミー]、そして[ピグミーグラミー]の3種です。
【グラミーとは】
ピグミーグラミーのようにグラミーと名前につく熱帯魚はたくさんいますがグラミーとは何なんでしょうか?
グラミーは東南アジアに生息する熱帯魚で、アンテナと呼ばれる細い腹ビレを持つのが特徴です。
養殖も盛んに行われており、数多くの改良品種も生み出されています。
赤や青、黄色などの色鮮やかな体色はとても華やかできれいです。
飼育は簡単で、水質にもうるさくなく、温和な性格のため、混泳にも適しています。
【ラビリンス器官とは】
ピグミーグラミーにはラビリンス器官という器官があります。
その為、とても不思議で、とても便利な能力を持っています。
ラビリンス器官とは何でしょうか?
アナバスやベタなどのキノボリウオ亜目の魚にはエラブタの中に補助呼吸器官として上鰓(じょうさい)器官という器官を持ちます。
その上鰓(じょうさい)器官が複雑な構造をしていることから、ラビリンス器官と呼ばれています。
ラビリンス器官のおかげで口を水上に出して直接酸素を取り込むことができます。
アナバスやベタの仲間が生息している東南アジアの止水域と呼ばれる水域は、水の流れが極端に遅く水温が高いため水中の酸素が非常に少く、こうした場所で生き抜くために、補助呼吸器官としてラビリンス器官が発達し、空気呼吸できるようになりました。
熱帯魚屋さんやホームセンターなどで、ベタが本当に小さな水槽や瓶などで売られているのを見たことがあると思いますが、ベタはこのラビリンス器官のおかげで空気呼吸ができる為です。
ピグミーグラミーの基礎知識
【学名】
Trichopsis pumilus
【種目】
魚類 スズキ目 キノボリウオ亜目 ゴクラクギョ科 トリコプシス属
【分布】
タイ、ベトナム、マレーシア、カンボジア
【サイズ】
4cm
【寿命】
1年〜2年
飼育環境により前後します。
飼育条件
[温度]
20度〜25度
[水質]
弱酸性〜中性
[ 餌 ]
アカムシ、イトミミズ、冷凍赤虫、人工餌
[注意点]
ピグミーグラミーは飼育しやすい熱帯魚です。
ピグミーグラミーはもともと止水域と呼ばれる、ほとんど流れの止まった水草の生い茂った小川や湖などに生息しています。
ピグミーグラミーも水槽内には水草を多く使用したレイアウトにして、あまり水流を作らないようにして、流木などで隠れる場所を作ってあげましょう。
混泳
ピグミーグラミーの性格は温厚なので、他の熱帯魚との混泳は難しくありません。
複数匹での飼育で繁殖を楽しむこともできるでしょう。
ただし繁殖期になるとオスは攻撃的になるため、水草や流木でメスの隠れる場所を作ってあげましょう。
繁殖
ピグミーグラミーの繁殖は比較的容易です。
ピグミーグラミーの仲間は、オスが[泡巣]と呼ばれる泡でできた産卵場所を作り、その中にメスが産卵をするという変わった繁殖方法をとります。
水槽の水面が泡だらけになるので、水が汚れてしまったと勘違いしてしまうかもしれませんが、ピグミーグラミーの習性ですので焦る必要はありません。
アマゾンフロッグピットなどの浮き草を用意してあげると泡巣を作りやすいようですのでおすすめです。
こうなると、繁殖の準備が出来たということなのでペアリングしてあげると繁殖行動へ移るでしょう。
孵化
泡巣に産み付けられた卵は2〜3日で孵化し、稚魚はしばらくの間は泡巣にぶら下がっています。
生まれたての稚魚はかなり小さいため、インフゾリアなどを与え、ある程度大きくなった時に孵化したブラインシュリンプを与えましょう。