リコリスグラミーは他のグラミーとは少し違った雰囲気があります。
野性味溢れる見た目にメタリックブルーのヒレ!両方のかっこよさを併せ持つ小型のグラミーです。
そのヒレを縁取るメタリックブルーは青色の釉薬を焼き付けた七宝焼のように美しく輝きます。
七宝焼は金属にガラス質の釉薬を800度前後の高温で焼きつける伝統工芸技法のひとつです。
仏典の中にある金、銀、瑠璃、玻璃 (はり/水晶) 、しゃこ (貝) 、珊瑚、瑪瑙 (めのう) など七つの珠玉をちりばめたような美しさを形容して[七宝]と呼ばれています。
始まりは紀元前の古代エジプトといわれています。中近東で技法が生まれ、シルクロードを通って中国に伝わり、さらに日本にも伝わったそうです。
日本では明治時代の一時期に爆発的に技術が発展し欧米に盛んに輸出されました。
リコリスグラミーの七宝焼のような美しさは弱酸性の軟水、少し低めの水温でしっかりと飼い込んであげればさらに綺麗になります。
【グラミーとは】
リコリスグラミーのようにグラミーと名前につく熱帯魚はたくさんいますがグラミーとは何なんでしょうか?
グラミーは東南アジアに生息する熱帯魚で、アンテナと呼ばれる細い腹ビレを持つのが特徴です。
養殖も盛んに行われており、数多くの改良品種も生み出されています。
赤や青、黄色などの色鮮やかな体色はとても華やかできれいです。
飼育は簡単で、水質にもうるさくなく、温和な性格のため、混泳にも適しています。
【ラビリンス器官とは】
リコリスグラミーにはラビリンス器官という器官があります。
その為、とても不思議で、とても便利な能力を持っています。
ラビリンス器官とは何でしょうか?
アナバスやベタなどのキノボリウオ亜目の魚にはエラブタの中に補助呼吸器官として上鰓(じょうさい)器官という器官を持ちます。
その上鰓(じょうさい)器官が複雑な構造をしていることから、ラビリンス器官と呼ばれています。
ラビリンス器官のおかげで口を水上に出して直接酸素を取り込むことができます。
アナバスやベタの仲間が生息している東南アジアの止水域と呼ばれる水域は、水の流れが極端に遅く水温が高いため水中の酸素が非常に少く、こうした場所で生き抜くために、補助呼吸器官としてラビリンス器官が発達し、空気呼吸できるようになりました。
熱帯魚屋さんやホームセンターなどで、ベタが本当に小さな水槽や瓶などで売られているのを見たことがあると思いますが、ベタはこのラビリンス器官のおかげで空気呼吸ができる為です。
リコリスグラミーの基礎知識
【学名】
Parosphromenus deissneri
【種目】
魚類 スズキ目 キノボリウオ亜目 ゴクラクギョ科 コリサ属
【分布】
タイ、マレーシア、インドネシア
【サイズ】
4cm
【寿命】
2年〜3年
飼育環境により前後します。
飼育条件
[温度]
20度〜25度
[水質]
弱酸性〜中性
[ 餌 ]
アカムシ、イトミミズ、冷凍赤虫、人工餌
[注意点]
リコリスグラミーは飼育しやすい熱帯魚です。
リコリスグラミーはもともと止水域と呼ばれる、ほとんど流れの止まった水草の生い茂った小川や湖などに生息しています。
リコリスグラミーも水槽内には水草を多く使用したレイアウトにして、あまり水流を作らないようにして、流木などで隠れる場所を作ってあげましょう。
混泳
リコリスグラミーの性格は温厚なので、他の熱帯魚との混泳は難しくありません。
複数匹での飼育で繁殖を楽しむこともできるでしょう。
ただし繁殖期になるとオスは攻撃的になるため、水草や流木でメスの隠れる場所を作ってあげましょう。
繁殖
リコリスグラミーの繁殖は比較的容易です。
リコリスグラミーの仲間は、オスが[泡巣]と呼ばれる泡でできた産卵場所を作り、その中にメスが産卵をするという変わった繁殖方法をとります。
水槽の水面が泡だらけになるので、水が汚れてしまったと勘違いしてしまうかもしれませんが、リコリスグラミーの習性ですので焦る必要はありません。
アマゾンフロッグピットなどの浮き草を用意してあげると泡巣を作りやすいようですのでおすすめです。
こうなると、繁殖の準備が出来たということなのでペアリングしてあげると繁殖行動へ移るでしょう。
孵化
泡巣に産み付けられた卵は2〜3日で孵化し、稚魚はしばらくの間は泡巣にぶら下がっています。
生まれたての稚魚はかなり小さいため、インフゾリアなどを与え、ある程度大きくなった時に孵化したブラインシュリンプを与えましょう。